32 ロシアンルーレット ページ33
2月に入った。
ヒートテックが肌の一部と化すほどには毎日が寒い。
コレといったイベントは特にない……はずだった。
節分の日は、ガキでもあるまいし高校生ではしゃぐ奴なんていないだろうという予想を綺麗に裏切ってくれる連中がいたな、そういえば。
小太郎は朝からエナメルバックいっぱいの小豆を鷲掴みにし、あたしに向かって投げてくるもんだから豆の代わりに砂利をお見舞いしてやった。
小豆ババアかよお前は!!!
大量の小豆は洛山バスケ部員がぜんざいにして美味しくいただきました。
永ちゃんは消化の悪い大豆を朝から死ぬほど食べていたために次の日は便秘で苦しんでたザマァ。
あとは受験勉強の苦痛でラノベ読む手が止まらないらしい黛さんの邪魔を適度にしてたくらいだ。
勉強しろ。
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こうやって2月も終わるんだろうなと思った矢先、
「ねーねーAはバレンタインどーするー?」
あたしには無縁のイベントがやってきた。
部活の休憩時間にその話題を運んできたのはチームメイトの友達。
『バレンタインとか、あたしのスケジュールにはないね』
「まあ男いなくても、友チョコがある限り女子は避けて通れないっしょ」
『そうなんだよねぇ……生まれる性別間違えた、』
「不可抗力だよね」
これだから!!!女子は!!!!
残念なことに友チョコという風習が生まれてしまった現在では、彼氏または好きな異性がいるいない関係なくバレンタインに参加せざるを得ない。
言わば人付き合いの一環である。
「Aとか愛結って女子から貰うチョコの量ハンパじゃないもんね〜」
「根武谷とかと比べてもアンタらのほうが多いでしょ」
『それに、お返ししなきゃならない、こちらの身にもなってくれ……』
毎年毎年、とんでもない出費なんだからな!
女子にモテたところでだよ!!
今年も寮で愛結と二人なかよくお菓子作りするか……。
「まあ、でも監督とか男バスにも義理であげるー?」
「小太郎とか去年さ、先輩達からすごいもらってたよねー!」
「まあでも今年の一番は言わずもがな赤司くんだよね」
「A、赤司くんにあげないの?」
『5円チョコでお返しにゴディバくれるならあげてもいい』
「せめてチロルチョコにしたってや……」
休憩中、あたし達の笑い声は体育館中に響いていた。
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Myuna(プロフ) - 毎日続き楽しみにしてます!応援してます 頑張って下さい!(。・ω・。)ゞ (2017年8月6日 20時) (レス) id: ce2e2cbeea (このIDを非表示/違反報告)
もちごめ(プロフ) - オオムラサキさん» ありがとうございます!!ぼちぼちですが更新頑張らせていただきます〜!! (2017年5月12日 0時) (レス) id: 9e06a18cdb (このIDを非表示/違反報告)
もちごめ(プロフ) - yumさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません…!!長期戦になりますがこれからもこんな2人をよろしくお願いします(笑) (2017年5月12日 0時) (レス) id: 9e06a18cdb (このIDを非表示/違反報告)
オオムラサキ - トップ画もお話の内容も好きです!!更新めっちゃ楽しみにしています。 (2017年5月9日 16時) (レス) id: 9910ac75da (このIDを非表示/違反報告)
yum(プロフ) - 赤司もかっこよく決まって、主人公ちゃんもちょっといい感じだったのに、最後の五円チョコ(笑)最高ですね(笑) (2017年4月15日 5時) (レス) id: 16305ab699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちごめ | 作成日時:2016年1月11日 3時