先生、後輩が生意気です。【黒バス】

21　恥を知れ愚民共 ページ22

陽泉との練習試合が終るとあたしは素早く逃げた。
もう秒で逃げた。

キセキのストバスに行くメリットがあたしにはない。
行く義務もない。

だいたい何なの陽泉ふざけんな。
平均身長高すぎなんだよふざけんな。
陽泉の女主将があたしには途中からゴリラに見えたわ。



実家に帰って、おばあちゃんの手料理を食べた後。

両親の仏壇に線香をあげて「殺したい相手が出来ました」とだけ報告しといた。
その相手は言わずもがな。


その頃。


　「ねー赤ちん、Aちんはー？」

　「ちゃんと連れてきたよ。ほら、ここに……」

　「いないじゃん」

　「………………」

　「赤ちんも苦労してるみたいだねー」

　「はは、次会った時にはちゃんと言い聞かせておくよ(殺す)」


なんて会話が繰り広げられていることもあたしは知らなかった。


火神くんの家に行こうとしたが送られてきた写メ意味不すぎて迷った。
火神くんて絶対青峰レベルのばかだ、確信したわ。



　「あれ？Aちゃん？」


　『あ！氷室さん！』



道端で偶然会ったのは陽泉の氷室辰也さん。
紫原を手懐ける天才。まじリスペクト。



　「もしかしてAちゃんも大我に呼ばれたの？」


　『そうだよ。そして氷室さんの手にある地図を見る限りあなたと同じ状況ですね』



氷室さんの手には明らかに火神が書いたと思われる汚い地図が握られていた。
二人で落胆しているとチャリの音が聞こえてきた。



　「あっれーAさんに氷室さん！こんなとこで何してんすか？」


　「君は確か…秀徳の高尾くん」


　『………高尾くん、面白いチャリ乗ってんだね』



これが噂のチャリアカ−か。
あの変人緑間の無茶ぶりに応えてる高尾くんまじリスペクト。

高尾くんどうやら火神くん家まで連れてってくれるみたいで、

連れてってくれるのは良いんだけどね、

それは本当に嬉しいんだけども、



　「後ろ乗っちゃってくださ〜い」


　『絶対やだよ恥ずかしい』



なんでこんな恥ずかしい乗り物のらなきゃなんないの？
あたし達が高尾くんいじめてるみたいな構図出来上がっちゃうじゃん。
こんなん走った方が全然マシだわ。

……ていうか氷室さん涼しい顔して乗らないで頼むから。



　『……高尾くん、嫌なら緑間にちゃんと断っていいんだよ…』


　「俺は別にへいきっすよー！」



乗ってみて分かった。

緑間お前今までようこんな恥ずかしいことできたな。
それに付き合う高尾くんも大概だわ。

22　地獄行きのチャリアカ−→←20　リバース30秒前

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