放課後の教室と貴方の字３

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――もう寂しくない？

　 どうだろう。

　 寂しくないと言ったら嘘になる。

　 けど言ったら斎藤さん困るでしょ、

　 彼には私の事で悩んでほしくない、楽に居てほしい。

　 誰も、居ないこの部屋で一人はやっぱ嫌だなぁ―――


目が覚めると匂いがした。良い匂い、落ち着く･･･この匂い･･･


パタン


A：さ、いとうさ･･･ん･･････



ほとんど何を考えているか分からない頭と体は勝手に動いた。



斎藤side

A：斎藤さん！

斎藤：！



玄関で呼ばれて振り返る。



斎藤：神山、まだ寝て――



神山の腕が首に回り、そのまま神山に抱きしめられた。

まだ体温が熱い、よく動けた。



斎藤：どう、した？



神山の体重がかかる。しゃがんでもう一度聞き返すが何も言わない。

そのままで抱きしめ返す。途端に神山の口から「ごめんなさい」と言葉が出た。



斎藤：何に対して謝っている？

A：全部･･･寂しいのに、寂しくないって言ったり、大丈夫って聞かれて平気な面したり･･･
　 嘘ついた･･･あやふやな気持ちで告白して･･･自分から告白したのは"保険"で･･･
　 いつでも斎藤さんが離れられるようにって･･･

斎藤：それはあんたが離れられるようにではないのか。

A：･･･さぁ、分かんないけど･･･多分そうかもしれない･･･ごめん･･･

斎藤：良い、それでもあんたがいる事には変わりはない。



「そうだですね･･･」と言うと顔を伏せた。

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