園児になってもらった 音楽組編 ページ12
-FB編-
「はーい、今日はここまで!お父さんお母さんがお迎え来るまで遊んでいいからねー」
わー!とみんなが一斉におもちゃ箱に走りに行ったり、外に出ていく。
僕も急いで別の教室へと走っていった。
ちらっ。
「……」
まだここの教室は先生がなにか話している。
あの子どこにいるかな。あ、いた。
ぼーっと天井を見つめている女の子。
僕の大好きな人のAちゃん。
まだ年少さんなんだって。
来年になったら僕は小学生だからAちゃんに会えなくなっちゃう。
だからこうやって1日でも多くAちゃんと一緒に遊びたいって思って、毎日ここの教室に行く。
じーっとAちゃんを見ていたら先生のお話が終わったのか、年少さん達が一斉に立ち上がって遊びにいってしまう。
誰だこいつみたいな視線を時々浴びながらも、入り口前でAちゃんをじっと見つめた。
声をかけたいけど恥ずかしくて僕にはできにゃい…。
『あ!FBおにいちゃんだ!』
こっちに気づいてAちゃんは目をキラキラさして走ってくる。
ああ、可愛い。可愛すぎて抱っこしたい。
「あ、あしょぼう!」
『うん!あそぼ!今日はお砂で遊びたい!』
「いいよ!お、おおおお手て繋ごう!」
やばい、また今日も噛んじゃった。
『えへへFBおにいちゃんの手ぷにぷにしてて好きー』
「す、すすすしゅきぃっ!?」
い、今好きって言った!?俺のことを!?
『お兄ちゃん顔赤いよ…?』
---
-きっくん編-
「うおおおブルーマウンテンブラッストォォォ!!」
ズサーーッ!
「いってええええ!」
また擦りむいてしまった。
いってえ、膝いってえよぉ…。
先生に見せたらまたかって顔されて消毒し終わる。
これじゃあAちゃんに顔向けできないよ…。
『きっくんお兄ちゃん…?』
「Aちゃん…!」
あ、また泣きそうになっちゃってる。
「ああああ泣かないで!お兄ちゃんは悪いやつをやっつけに行ってたから怪我しただけだから!ね?ねっ?」
『お兄ちゃんヒーローだったの…!?』
「お、おおう!実はAちゃんを守る正義のヒーローだったのさ!」
『かっこいい…!』
目をキラッキラと輝かして見上げるAちゃん。ああ可愛いなもう…。
けどヒーローって嘘なのは内緒。
『きっくんお兄ちゃん、空飛んで飛んで!』
「え?」
『ヒーローだったら空飛べるんだよね!?』
「…ま、まかせろお!」
俺はブランコに飛び乗って試すが案の定、また怪我をして先生に怒られたのだった。
76人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もちぷよ | 作成日時:2023年1月10日 13時