黄色のデルモとの非日常生活。

テスト後4 ページ31

黄瀬side


A「だからさ、私はこの順位嬉しいんだよ。たったの2週間だけでこの順位になって。
…まぁ、これで3桁の順位だったら泣いてたかな…」



…確かにそうかもしれない。俺はいつも3桁代の順位だった。2桁の順位になれたのはあんなに猛勉強したから。それはいい事だったと思う……けど。








でも、でもっ……！









(黄瀬)「…っでも！俺は！」

A「次があるよっ！！」

(黄瀬)「！」



しん…と教室が静まり返った。
今のは力強い、迫力のある声で誰もが注目しろというような、そんな強い思いがある声だった。



A「……次は期末テスト
この時に絶対！1桁の順位にいれる！」



普段の桐谷さんからは考えられない、無気力な目元がキリッとしていて、まっすぐに俺を捉えていた。
……本気だ。これは冗談なんかで言っていない。


そんなに本気だと、こっちも燃えてくる。
その真剣な眼差しを向けられれば、こっちももっと本気でやるっきゃないッスね！




(黄瀬)「…絶対！入ってみせるッスよ！」



さっきまでの涙を吹き飛ばすくらいの笑顔で、はっきりと断言して言ってやった。



A「うん！」









パチパチパチ…



「「ん？」」


拍手をする音が聞こえた。不思議に思って辺りを見回すと、何故か教室にいた皆が俺達にむかって拍手していた。
そういえばそうだった…俺達教室のど真ん中で言い合ってたんだった！



「やっべぇ〜今の黄瀬カッコよかった」

「桐谷さん！今回は残念だったけど次は頑張って！」

「次は1位取ってこいー！」

「黄瀬のくせに生意気だぞ！」



クラスメイトから次々と暖かい言葉が。最後のは聞かなかったとして、凄く嬉しい。俺はとても穏やかな気持ちになった。
桐谷さんは少し照れくさそうに笑って、「皆ありがとう」と呟いていた。









…









…今回は今までで1番勉強したけど、いい順位ではなかった。それは残念だけど、ここで諦めたり挫けたりしてちゃダメッスよね。








……次は、次こそは。








絶対にいい点取って、順位上げて









Aっちに喜んでもらうッスよ！！









…









…









テスト結果
1位 赤司征十郎
2位 緑間真太郎 黄瀬涼太

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