黄色のデルモとの非日常生活。

テスト後2 ページ29

黄瀬side



桃井「すっっごいよきーちゃん！！」

(黄瀬)「…」

桃井「今回凄く頑張ってたよね！私もAちゃんに勉強教えてもらえばよかったなー！」



桃っちがいう言葉は右から左へと流れていく。
今は何も受け入れられない、そんな感じで何も考えたくなかった。



桃井「……きーちゃん」



察してくれたのか、桃っちはそれ以上何も言わないでくれた。



(黄瀬)「…桐谷さんに、顔向けできないッス」








…









桐谷A 37位









俺はこの順位を見た瞬間、申し訳なさと自分への失望感でその場から逃げてしまった。



桃井「Aちゃんはきーちゃんに会いたいと思うよ」

(黄瀬)「…」

桃井「何も言わずに逃げちゃった方がダメじゃないの？」

(黄瀬)「…っ」

A「あ！いた！！」



息を切らしながら桐谷さんが教室に入ってきた。
……ダメだ、顔をあげられない。申し訳なさすぎてどういう顔すればいいか分からない。



桃井「Aちゃん！」

A「……探したんだよ？」

(黄瀬)「すみ、ませんッス…」

A「……えっ、な、泣いてるの…？」



言われて気付いた。確かに鼻はツーンと痛むし、視界がボヤけてるし目頭が熱い。
…俺最低ッスね、泣く資格なんてないのに。



(黄瀬)「ごめっなさ……ﾋｯｸ…俺、ぜんっ…ぜん…っ……結果、出せなかっ、た…！！」



赤司っちと緑間っちに1位を取るなんて大口たたいておいて、1桁にすら入れなかった。
桐谷さんにあんなに勉強を教えてもらったのに。自主勉強も頑張ってやったのに。
何も結果を出せなかった自分が情けない。



桃井「きーちゃん…」

A「…」



ごしごしと袖で涙を拭う。何度も何度も拭っているのに、どんどん溢れてくる涙。
早く止まってくれよ、そんな願いは叶わず全く止まってくれない。



A「黄瀬君」



桐谷さんはしゃがんで、俺と同じ目線になる。
頬を両手で優しく包まれ、スっと涙を拭われた。そしてニッコリと微笑みながら



A「黄瀬君は思いつめすぎなんだよ？
前言ったよね、完璧に演じきらなくてもいいって」

(黄瀬)「そうっ、スけど…」

A「私はさ、嬉しかったよあの順位」

(黄瀬)「へ…？」



嬉しかった…？あの順位が？
予想外の言葉すぎて目を見開いた。

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