16:彼女が溢す涙 ページ17
夜───
私は食堂で、誰か足りないと気付いた。
それがレイだという事に気づくまで、あまり時間はかからなかった。
訓練地に探しに行くと、誰かの啜り泣く声がした。
私は驚いて辺りを見回した。
立体機動の訓練様に植えられた樹木の下に、レイが居た。
彼女の眼は昼間の野犬の様な眼とは違い、
幼気の残る少女の眼だった。
「お父さん...ヒクッ...お母さん...」
私はどうすれば良いか分からなかった。
「っ...!誰?!」
しまったと思った。
最も、私はレイの位置からは殆どまる見えの所に居た。
「あの...大丈夫?ハンカチなら貸すよ...?」
「...いいっ!」
レイは慌てた様に涙を拭うと、
「この事、他の奴等に言ったら殺すから」
私を睨みながら言った。
「言わない、絶対に言わない」
その時の私は酷く怯えていたと思う。
レイの安心した様な顔が強く記憶に残っている。
「じゃ、私は兵舎に戻るから。
今日は晩御飯は要らないって言っといて」
そう言うと、レイは訓練地を後にした。
私は呆然としていた。
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抹茶タピオカ2号(プロフ) - 時雨 サトさん» え?!本当ですか!ありがとうございますm(_ _)mゴツ!とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年5月22日 18時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 サト - 抹茶タピオカ2号さん» 観覧ありがとうございます!抹茶タピオカ2号さんの作品も見させて頂いております!ビックリしすぎて発狂しそうです←キャアアアア(( (2020年5月22日 15時) (レス) id: bf2420a828 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年5月21日 16時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 サト@ギガ容量が絶滅危惧種 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2020年5月20日 15時