ずっと、好き 。【歌い手短編集】

そらる◇「言葉の裏側」2 ページ11

そらる視点




「ごめん、別れよ」




こんな台詞、Aと付き合ってる限りは言うことのないものだと思っていた。




始まりは、2月。



「Aってさぁ、胸デカくね？」



そ「ぶっ」



モブ男の言葉に、お茶を破吐き出した。



回りは暑苦しい男ばかり。女子は別授業だ。



先生に用事が出来て「自習！」と言われた瞬間に、俺を囲い 謎の時間が始まった。



ちなみに、俺は生徒会の人だから 先生から見張っとけって言われてるけど、面倒だからしない。



「えー、俺はね 足が好き！あの足！！


ミニスカだし超えろくね？」



「てかクラスで一番可愛いのAだと思うんだけど！」



「まじそれな！優しいし頭いいし！」




俺とAは3ヶ月前から付き合っていて、男に隠れ人気のあったAと付き合うのは男共からのブーイングが凄かった。



「おいそら、Aとどこまでいったの？


キスは？あれもやった？」



そ「ちょ、段々えろい話になっきてるし..やめよーぜこういうの」



あんまり、Aの話をするのは好きじゃないし。



..野郎共が変な妄想するから。




「お、そら あれですかぁ？まだ怖くて手出せてないのぉ？」



「あははっ それってまじ？そら」



そ「ちげぇよ



..ふつーに、してるし」



そう小声で言った途端、回りから「フー！！！」という謎の歓声が上がった。




「ってかさ、Aって何カッ..」




また、Aの話かよ。


と思っていたけど、違う人もいた。



「..気にくわないな」



唯一の苦手な人、なんかどっかのクォーターらしい。




そ「..何が？」



こいつもまたイケメンで、人気があるらしい。



「Aちゃんの話ばっかして。お前のどこが良いんだよ」



そしてA大好き人間



付き合ったって言った時に一番バッシングが酷かったのもコイツだ



そ「いや、知らねぇし


そんなのAに聞いたら？惚話しか返ってこないと思うけど」




そう言うとアイツは俺の胸ぐらを掴み叫んだ。


「調子にのってんじゃねぇよ！！俺は..俺は..ずっとAちゃんが好きだった！！



なのに..お前なんかに横取りされて..」


周りから「落ち着け」なんて聞こえるけど落ち着けやしない



「Aちゃんはな！！お前と付き合ってるせいで女子に愚痴られてんだよ！！


Aちゃんの為を思って別れろ！！」




..俺の、せいで...?



そ「そうだな..」






俺はAに、釣り合ってないのかもしれない。

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