残って響く ページ5
「さて。どうしますか。」
「おいアヴドゥル、何も小屋から俺達が出る必要は無かっただろう。」
「ジョースターさん、貴方達は毎日会っているから気付かなかったのかもしれませんが……相当ですよ、あの疲労っぷりは。誰かと共にあるというのは重要ですが、一人の時間をくれてやって下さい。」
でも、何が嬉しくて屋根の無い寒空に出なければならないんだ。
「顔に出てるぞ花京院。」
「エッ、」
「キキとは逆に、見ない間に感情が豊かになったというか……。」
「豊か……まぁ、悩みとか葛藤なら、一塩に……。」
「それは、この旅に出るまで抱えた事のあったような悩みだったか？」
「流石に、無いですね。」
「成長しているのだよ。自分では気付かない内に。」
それでもたったの二週間、半月程度だった。そんな短期間で成長したと言うのかこの人は？
「そういえばジョースターさん。聞きましたがその後もホル・ホースは、本当に味方でいるのですか？」
「ああ。キキが、儂を財布扱いして雇った。今でこそ味方として、キキのボディーガードとして働いてはいるが。」
「DIOの仕事を途中放棄した訳では、未だに無いのですよね。」
「DIOは、キキのスタンド狙っているらしい。暫定による恐らく、でしかないが。よって本体であるキキを死なせるのも殺すのも惜しいという訳じゃ。」
「それでボディーガード。どちらかと言えば宅配業者の様ですね。」
だとしたら、劇物を届けねばならないホル・ホースに少し同情したい。
「…………何やら、花京院が前以上に不機嫌というか……。キキと何かあったのか？」
「……別に。あったと言えばあったし、無かったと言えば無かったです。」
「煮え切らんなぁ。」
「…………皆さん。彼を、日本に、返しませんか。」
「「「！」」」
「あ、待って、いや、今のナシです。ふと、思っただけなんです。気にしないで下さい。」
「何故、そう思ったんだ？」
「……承太郎。」
『あ゛あaあ亜゛ああアあAああア゛ああ阿あああ嗚呼あa゛あッッ！！？』
「僕……は、彼に傷付いて欲しくないんです。……ですが、この旅そのものが、彼を傷付けているんじゃあ無いかって。こうして、疑心暗鬼になって彼を信じない僕こそが、彼を傷付けている元凶に思えて…………。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
靜藍(プロフ) - 初めまして。この作品のシリーズを読んでみて、とても素晴らしく考えられたお話で感極まり、コメントさせていただきました！ストーリーは勿論、主人公の謎、登場人物の考えとかとても面白く好きです！より理解するため、また一から読み直したいと思います！！ (2020年11月24日 21時) (
レス) id: 114c5f5474 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：heavy loss | 作成日時：2018年1月21日 17時
