【4部】ガーネットなのに砕けない

ようこそ特異点へ ページ1

「はい、いらっしゃいませ空条承太郎さん。ようこそ我が家へ。」
「「「「！？」」」」

兎鮫家は……何ら異様とは思えない普通の家だった。しかし入るなり警戒される。どうやら俺は、知らねぇ間に有名になっていたらしい。

「はい、あっちが色んな所に電話とか飛ばせる部屋で、キキさんはその地下。眼覚めた事は無いので、点滴をずっと打ってます。」
「め……、メイ？ その人は、」
「ただいま小狼にぃ。かの有名な空条承太郎さんだよ。」
「つ、連れて、連れて来ちゃったのか！？」
「キキさんの事、無理矢理連れてったりしないってさ。悔しいけど私達のお陰で裏社会は安定してるからーだって。」
「や、でも！」
「KKなんて組織名もあってさ、散々汚名とか被せられてるキキさんにさ。会わせてあげようよ、空条承太郎さんを。」
「………………。」

読んでいた本を抱える彼は、この家の長男坊という事だが……成程、悪人という雰囲気はまるで感じられない。そういった人間を意図的に集めて連れて作られているのか？ 兎鮫家は。

「はい、それじゃこの部屋です。……キキさん。入りますよ。」

案内されたのは、よくある部屋の前。ノックをして、あるかも分からない合図の為に確認を取る彼女の行動には、キキへの敬意が見て取れた。護るべき物だというのもあって、特別扱いなんだろうか。

「…………………………キキ。」

医療機器と、点滴と、白いシーツと、懐かしい顔があった。

肝心の情報→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す