モリノコビト。＊2＊

波長がおんなじ。 ページ36

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「サトシが元気になりますようにって、雅紀と一緒にどんぐりを沢山集めて来たんですよ」


「あーばくんと一緒に？」


「うん……ほら、見て？」




そう言って指差した先に、雅紀のシャツに包まれた大量のどんぐりが




「わあ、たくさんだねえ///」


「あれで、おかゆ作ってあげるよ

それを沢山食べたらきっと、元通り元気になるからな、サトシ」


「うん、ありがとうカズ

カズも、一緒に食べようね？」


「うん」




そうして、サトシと一頻り強く抱き合った後

カズナリは翔に言って、どんぐりをおかゆにする為にキッチンへ向かいました




「カズちゃんとわらしちゃんは、仲良しなんだねぇ。」


「わらしちゃん？」




翔とカズナリがキッチンへ行った後

再びタオルのベットに入れられたサトシの側に座った雅紀が

サトシの事を“わらしちゃん”と呼ぶと


サトシは、キョトンと目を丸めて首を傾げました




「あり？…君、わらしちゃん兄、じゃなかったっけか？？」


「ん〜……なんだかわかんないけど、僕の名前はサトシだよ？」


「ああ〜、サトちゃんね！」




カズナリがわらしちゃんでない事をやっと覚えたものの

サトシのことは何故だかまだわらしちゃんだと思っていたらしい雅紀は

やっと、サトシの名前も覚えた様です




「うふふ…あーばくんって、楽しいねぇ///」




そんな雅紀を見て、楽しそうに笑うサトシ




「マジ？あんがとー♪」


「うふふふふ///」


「うふふふふ」




それから


何となく、波長の似た感じのサトシと雅紀は


二人して顔を見合わせ、意味もなくケラケラと笑いました




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