モリノコビト。＊2＊

その理由は… ページ21

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小人乱獲燻製事件以降は、人間の村に遊びに出掛ける事をしていませんでしたが

それ以前は、ちょこちょこ森から抜け出して、人間の村を遊び歩いていた小人の兄弟


それなのに、サトシが一日も経たずして森が恋しくなったと思ったカズナリは

矢張、森の近所の村ではなく、故郷の森から遠く離れた異国に来たからなのだろうと思いました



けれど




「……ちがうの///」




サトシは、カズナリに森が恋しくなったのかと問われると


泣きそうな顔のままで、ふるふると首を振りました




「違う？…って、」


「森が恋しくなっちゃったんじゃないの///」


「森が恋しくなったんじゃないって…他に寂しくなる理由なんてあります？」


「あるもん、だって…」




クスンと鼻を啜って、ゆっくりと瞬きをしたサトシは


ちょびっと下唇を突き出し、拗ねた様な顔をしました




「だって？」


「だってさ…しょーくんが居ないんだもん///」


「……………は？」




なんと


サトシが苦しい程に寂しくなってしまった原因は

翔の不在にあった様です



それを聞いたカズナリは、さも不服そうな顔をして言いました




「…いや…なんつーか、何故あいつが居なくて苦しい程に寂しくなるんだか、意味が解らんのですが…

…なんでよ？」


「だってだって！！」




カズナリが不満気に、サトシに何故翔が居なくて寂しいのかと問うと

サトシは顔を真っ赤にして、大きな声で叫びました




「だってだってだって僕しょーくんといいーっぱい遊びたかったのにいっ！！

なのにしょーくん居ないんだもぉんっ！！！///」




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