モリノコビト。＊2＊

色んな意味でピンチ ページ19

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サトシにうんちがしたいと訴えられたカズナリは、困り果てて辺りを見回しました


何時もは森の奥の、木の葉の沢山折り重なった場所で用を足していた小人の兄弟でしたが

翔の部屋には落ち葉どころか鉢植え一つも置いておらず

小人が用を足せそうな場所は見当たりませんでした




「うえぇ〜ん、もれちゃうよ、おなかいたいよぉ〜////」




そうこうしている内に、サトシの我慢の限界が近付いて来ます


サトシ、お漏らしのピンチです


可愛いお伽噺的にもピンチです。




「カズぅ〜////」


「…仕方ない…ちょっと危ないけどやってみますか…」




カズナリは渋い顔をしてそう言うと、サトシの手を握り返しました




「サトシ、テーブルから降りますよ

もう少し我慢出来ますか？」


「…うぅ〜…ぅん、がんばるぅ〜////」


「頑張って下さい」




頑張ってと言ってサトシを引き上げると、カズナリはサトシを連れて器用にテーブルの脚を伝って床に降りていきました

それから、急いで廊下へ出て、トイレに向かいました


トイレの扉の下には、小人一人が丁度転がって通れる位の隙間があって

小人の兄弟はその隙間からトイレの中に入りました




「兄さん、ちょっと危ないんだけど、そこで用を足して下さい」




カズナリはそう言うと、床に置いてあった予備のトイレットペーパーを千切ってサトシに手渡しました




「…この上でうんちするの？」


「そうですよ。人間のトイレです

ずっと前に人間の家に潜り込んだ時にあったでしょう？

あの時は水洗トイレじゃ無かったけど…やり方は同じですから

し終わったら、ペーパーでおケツを拭いて、水ん中に棄てて、で、そのでっかい箱に付いてるレバーを回すんですよ？

そしたら、水が流れてキレイになりますから」


「ん〜…何だかわかんないけど、わかった」




それから、またどうにかして便座によじ登ったサトシは

カズナリに言われた通りに用を足して


どうにか、サトシ的にもお伽噺的にもピンチを乗りきったのでした




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