＊ ページ30
.
「わっ、」
背中に腕を回され、あっという間に侑の胸の中へと引き寄せられる。
「俺ら両思いやったんやな〜。なんやえらい遠周りした気分やわ」
「…そうみたい、やね」
両思い…なんと幸せすぎる響きなんだ。思わず顔がにやけてしまう。
「もうちょいこうやって色々話したいけど、もう時間も遅いし、とりあえず帰りながら話そうや」
「そ、そうやね、今何時やろ…、うわもう1時間近く公園おったんか」
ポケットからスマホを取り出し時間を確認すると、すでに時刻は19時を過ぎていた。
侑は「あ、もうそんな時間か？」と言いながら立ち上がるのと同時にあたしの腕を引き上げ立ち上がらせてくれた。
「ありがと」
「ん」
お互い制服についてしまった土を払い落としながら、鞄を持ち、一先ず公園を後にした。
＊
あたしの予定だと、侑に振られて一人泣きながら帰るはずだったのに、まさか侑とこうして一緒に帰れるとは思ってもなかった。
まさか両思いになれるとはびっくりだよ本当に。
幸せに浸りたいところだがまずは、
「ねえ、色々確認したいことがあるんやけど、ええ？」
今までの侑の言動の数々の真意を確認しなくては先には進めない。
「なんや？」
「あたし、あんたに告白された覚えないんやけど、治くんと体育館で話しとったあれはなんやったん？」
まずは一番の疑問の告白スルー事件。
「したわアホ。お前はまったく気づいてへんかったけどな」
「え、嘘や。遠回しだとしても気づくと思うであたし」
あたしだってそんなすごい鈍感なわけじゃない。
ましてや好きな人からの告白であればスルーするはずがない。例え遠回しの言葉だとしても印象に残らないはずがない。
「なあ、いつ？なんて言葉だったん？」
「んな改まって誰が言うかボケ！！絶対教えたらんわ！！」
「ええ、なんでなん！！ええやんか！」
「気づかんのが悪いやろ！」
「なあ教えてや！じゃあヒント！ヒントくらいええやろ！」
流石に気になる。このまま引き下がることはできない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1387人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mutk(プロフ) - 語彙力皆無でもう何も伝えられないのですが、この作品に出会えて良かったです。宮侑がこんな恋愛をしていたら、って考えるととっても幸せになれました。ほんとに、ありがとうございます。 (2021年8月12日 9時) (
レス) id: 55e19ab55c (このIDを非表示/違反報告)
夜狐 - バカからのリクエストなんですが、夢主ちゃんとあつむの将来とか書いてほしいです！ここからのリクエストって良いんですかね、、、 (2020年6月9日 15時) (レス) id: 5c5bcab0c3 (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - なんでひとり一票しか入れられないんだろ…星連打したい…！！この作品を作ってくれてありがとうございます！！ (2020年2月22日 14時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめらー - 完結おめでとうございます！侑とのイチャイチャ楽しみに待ってます！更新頑張ってください (2019年10月18日 21時) (レス) id: de3c7d3997 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめらー - 間違えましたスイマセン (2019年10月18日 21時) (レス) id: de3c7d3997 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もらん | 作成日時：2019年9月16日 16時
