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「じゃあAっち、行こ?」
「うん、いきなりだったのにありがとう」
紳士な計らいに胸をときめかせ、紅潮した頬を上げて笑った。当然周りは虜になり、不覚ながら黄瀬も少しだけ胸が高鳴った様子。
それを斜め後ろから眺める真紀も、『Aちゃん綺麗だなぁ』と目を輝かせるのだった。勿論これを意識的に行った訳でもなく、黄瀬だけに自分を見てもらえれば良かったAは、少し不機嫌になる。
憧れと好意で溢れた視線を避けながら、体育館へと向かった3人だった。
*
「アンタ気味悪ぃんだよ!!」
パシンッ、と痛々しい音が女子トイレに響く。紅葉の様に紅く腫れた頬を抑える様にして座り込む少女と、
此処で行われているのは、所謂『虐め』
「へえ?こんな状況でも涙一つ流さないのね……」
「まあ。もう3回目だもんね〜」
「飽きたって感じ?」
こんな危機的状況でも、涙を決して流さない少女。そんな少女にイラついたグループの女子は、ハサミでバッサリ少女の長い前髪を切ってしまう。
流石のこれにはピクッと肩を揺らす。
「……、」
「ふ〜ん、ホントはこんな顔なんだ。なんで隠すわけー?」
「……、」
「ッその目が気に入らねえだよ!!」
また少女の頬をひっぱたく。先程より確実に強い力で少女を痛め付けた。それでも泣き声や嘆きを一言も漏らさない少女。
「ねえ…マジでヤバイんじゃない?泣かないし喋んないし……」
「ね、…まるで人形みたいだわ…」
「っ、今日のところはこれで勘弁してあげるわ!アンタはあたしらのストレス解消道具なんだから、」
「この事教師にチクったり、誰かに漏らしたりしたらただじゃおかないわよ」
そう言い捨てて3人グループの女子は女子トイレから走り去っていった。その後、よろよろと
そして立ち上がり、無言でトイレの個室に籠ったのだった。
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ハッピネス - 真紀は私の母の名前。 (2015年9月28日 23時) (レス) id: 27fde00bb1 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 梓 .さん» ありがとうございます!!声援にお応え出来て嬉しい限りです!! (2015年9月20日 17時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 鷹蘭さん» ありがとうございます!!楽しみにしてくださって本当に嬉しいです!! (2015年9月20日 17時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 漆黒堕天使@受験生なうなのに勉強してないクソ←さん» ありがとうございます!! (2015年9月20日 17時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
梓 .(プロフ) - 完結おめでとうございます!初めて読んだ時から引きまれてしまって……。お疲れ様でした、他の作品も楽しみです* (2015年9月20日 7時) (レス) id: 390fae9fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小泉 海砂 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2015年8月30日 20時