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「皆、おはよっ!」

「おはよっス!」

―――主役登場。

華々しく腕を組んで登場した二人の主役。その二人に比べれば真紀はただのモブイン。民衆の目はすぐに真紀に向けた軽蔑の目ではなく、神を拝む様な尊敬の眼差しでAと黄瀬を見ていた。

Aは誰にも悟られないよう森平 あずみと目を合わせ、イヤらしく笑った。その様子を知る者は他には居ない。そしてずって俯いている真紀に気付いた黄瀬は、顔色をパッと変えて近寄った。

「“海野サン”、Aから聞いたっスよ、昼休み、裏庭で待ってるっス」

「う、うん…」

「ねえ涼太、海野さんに何するの?」

「Aの為に別れるっス、ほらこんな奴に構ってないで行こう?」

真紀や民衆には聞こえないくらい小さな声でAに囁く黄瀬。真紀はこれからされる事を想像して震えていた。良い事では無いのは明白だったから。

そしてそんな憐れな子羊(まき)を見てクスクスと笑う影。勿論誰も気付かないくらい影が薄いから、誰も影を気にもとめなかった。

「A、教科書忘れちゃったんスよ〜見せて?」

「あ、悪い子だね涼太。でも良いよ」

「ラブラブですね、お二人共!」

「そうね、アイツが居なくなればもっと平和だろうに、ねぇ」

今までの黄瀬なら真っ先に真紀の下へ行っていたが、今ではそのポジションはAのもの。いや、最初から真紀に居場所は無かったのかもしれない。

―――“私は要らない子なの?”

(かつ)てそう嘆いたAと、昔から、今でもそう思っている真紀。けれど幸せを手に入れたのはAで、真紀から全て奪い更に地獄へ突き落とした。

「―――“契約通り計画通り”か……ふふふ、良いじゃない。月光 A、一度痛みを味わい、想い人に振り向いてほしいと言う感情で此処まで這い上がってきた、正に“悪のジャンヌ・ダルク”よね……」

紫苑 華実はひっそり狐の様に口角を描いた。

第四章…月色happiness→←〃



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ハッピネス - 真紀は私の母の名前。 (2015年9月28日 23時) (レス) id: 27fde00bb1 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 梓 .さん» ありがとうございます!!声援にお応え出来て嬉しい限りです!! (2015年9月20日 17時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 鷹蘭さん» ありがとうございます!!楽しみにしてくださって本当に嬉しいです!! (2015年9月20日 17時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 漆黒堕天使@受験生なうなのに勉強してないクソ←さん» ありがとうございます!! (2015年9月20日 17時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
梓 .(プロフ) - 完結おめでとうございます!初めて読んだ時から引きまれてしまって……。お疲れ様でした、他の作品も楽しみです* (2015年9月20日 7時) (レス) id: 390fae9fa9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小泉 海砂 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2015年8月30日 20時

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