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重い身体を無理矢理起こして、母親にも何度も指摘された赤く腫れた目を気にしながら学校へ向かった真紀。真紀の家系は、比較的裕福だ。父親が大銀行の融資課長で将来が約束されている。

だが父親は自分だけに厳しく、兄や姉には何も言わない。真紀は頭脳面でダメダメなのだ、それをよく解っているから、賢くなろうと必死だった。

だが黄瀬を失ったのと同然の今、そんなの彼女はどうでもよかった。Aに裏切られたと言う思いを、どうにかしてリークしたかった。

―――教室がざわざわとざわめいている。

廊下を歩けば向けられる好奇の目。それに耐えきれず足早に教室へと向かった。

「うわっ、なんで来てんだよ」

「ホントホント、自分が何したか解ってんの?」

「これどういう事よ!」

「ええっ…?」

Aの取り巻きの一人に半ば無理矢理見せられた携帯の液晶画面。このクラスの殆どが登録している、言わば皆仲良しグループの画面だった。勿論の事真紀も登録しており、通知は毎回欠かさず読んでいた。

しかし昨日は悲しみに明け暮れていた真紀は、携帯の電源も切っていて気付かなかった。だがそんな事、今の真紀は考えられなかった。

「バスケ部の相手チームから情報を売買してたって事よ!しらばっくれても無駄なんだから!」

「森平さん…」

「あず、聞いちゃったの。バスケ部の相手チームのマネージャーと、海野さんが裏で繋がってて、情報を売ったり買ったりしてるんだって」

「違っ…そんな事してないっ」

「嘘吐いたって無駄、しらばっくれても無駄って言ったよね?」

「それに月光に、「涼太君に近付かないでっ、近付いたら家を潰すよ」…って脅しかけてたんだろ?最低だな、月光に嫉妬して、黄瀬が自分から離れていくのが怖くてこんな事したんだろ」

―――月と海、雲泥の差

〃→←〃



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ハッピネス - 真紀は私の母の名前。 (2015年9月28日 23時) (レス) id: 27fde00bb1 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 梓 .さん» ありがとうございます!!声援にお応え出来て嬉しい限りです!! (2015年9月20日 17時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 鷹蘭さん» ありがとうございます!!楽しみにしてくださって本当に嬉しいです!! (2015年9月20日 17時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
海砂(プロフ) - 漆黒堕天使@受験生なうなのに勉強してないクソ←さん» ありがとうございます!! (2015年9月20日 17時) (レス) id: b9184114f0 (このIDを非表示/違反報告)
梓 .(プロフ) - 完結おめでとうございます!初めて読んだ時から引きまれてしまって……。お疲れ様でした、他の作品も楽しみです* (2015年9月20日 7時) (レス) id: 390fae9fa9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小泉 海砂 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2015年8月30日 20時

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