（千冬side） ページ13
＊
アヤノくんを待っている間に声をかけてきたヤツら。
「この前の"御礼"がしてぇ」って難癖つけてきたから、アヤノくんが戻る前に片付ければいいだろう。と思って場所を移すソイツらの後を大人しく着いていった。
すると人目に着きにくい場所でゾロゾロと出てくるソイツらの仲間達。
だから俺はなんで学ばないんだ…！
これじゃ場地さんに初めて会った日と同じじゃねーか。
…いや、あれから少しは成長した筈だ！
漢を魅せろ、松野千冬！！
なんて自分で自分を鼓舞して何人かを戦闘不能にしていくも、やはり数には抗えずに羽交い締めにされて顔を殴られる。
……ってぇな。
羽交い締めにしてたヤツが手を離したのが分かり、目の前のヤツに集中しようと目を向けるとソイツがニヤッと悪役さながらの気色悪い笑みを浮かべた。
嫌な予感がして急いでソイツの視線の先を確認すれば、頭上に振り上げられたバット。
────あ。さすがに避けられねぇな。
なんて変に冷静な思考で弾き出して、これから来るであろう痛みに恐怖から目を瞑る。
しかし俺の名前を呼ぶ声が聞こえ、次にバットが地面に落ちる カランッという音も耳に入る。
目を開けると、俺にバットを振りかぶっていたヤツはフェンスまで吹っ飛んでいて。
拾い上げたバットを近くで蹲っていたヤツに振り下ろすアヤノくんが見えた。
千「、アヤノくん…！」
咄嗟にアヤノくんの名前を呼ぶ。
何がしたかったんだか自分でも分からんけど、多分アヤノくんが来てくれた安心感と 彼が本当にそのバットで人を殴り殺してしまうのではないかという不安から漏れた声だったと思う。
その呼び掛けが聞こえたからかは分からないが、アヤノくんはバットを男の横スレスレに地面に叩きつけた。
『…お前ら、何俺の後輩いきなり拉致ってんの？
───ぶっ殺されてぇのか？』
自分に向けて言われた訳ではないのに背筋に走る悪寒。この人には勝てないと本能で分からせられる感覚。
アヤノくんは持っていたバットを俺に預けると、上着を脱いだ。
『
とーぜん、
ニコッと
彼の腕にある蝶のタトゥーを見た数人が狼狽えたのが見えた。
俺を背に立つその姿があの日の場地さんと重なって。
やっぱりこの人達に着いてきてよかったと改めて思った。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 326人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (2023年2月18日 22時) (
レス) @page50 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
くろーーーー。 - (*´д`*)ﾊｧﾊｧ好きすぎる･･･！！！これからの物語めっちゃ期待してます！！！！！ (2021年11月30日 21時) (レス) @page4 id: 306f53c7de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴奈 | 作成日時：2021年11月30日 15時
