純白の月 (ページ49)

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ついに、ハリーが追いついた。目の前に現れたハリーを避けて急降下しようと、ルナがブレーキをかけた。だが、まだ慣れきっていないこともあり、ルナは勢い余ってハリーにぶつかりそうになる。

ハリーはそれに素早く反応して、とっさに箒から手を離してルナを受け止めた。

「つかまえた」

ゆっくり地面に降りると、ルナは瞳を輝かせてハリーを見上げた。

『すごくかっこよかった！ぶつかりそうになってしまってごめんなさい。でも、本当にありがとう！』

「うん。どういたしまして」

ハリーは赤い顔を隠すようにして、手で顔を覆った。

「なんだ、きみたちはそういう関係だったのか」

その時、オリバー・ウッドがやって来た。大きな箱を抱えている。ルナとハリーは顔を真っ赤にし、そして瞬時に離れた。

『こ、こんばんは、ウッド先輩』

「あぁ。今夜はルールを教えよう」

箱を開けると、大きさの違うボールが四個あった。

「まず、両チームそれぞれ七人の選手がいるんだ。そのうち三人はチェイサーだ。ルナ、きみのポジションだよ」

『はい』

「このボールがクアッフルだ。チェイサーはこのクアッフルを投げ合って、相手のゴールの輪の中に入れる。輪に入るたびに十点だ」

その後もウッドの説明は続いた。

「――さて、残るメンバーはシーカーだ。ハリー、君のポジション」

ウッドは胡桃ぐらいのサイズのボールを取り出した。まばゆい金色で、小さな銀色の羽をヒラヒラさせている。

「これが『金のスニッチ』だ。君は敵のシーカーより先にこれを取らないといけない。シーカーがスニッチを捕ると一五十点入る。スニッチが捕まらないかぎり試合は終わらない。こんなところかな」

やるべきことはしっかりわかった。それができるかどうかが問題だ。

「クアッフルは逃げないからいいけど、スニッチを使った練習はまだやらないよ。ハリーはかわりにこれで練習しよう」

ウッドはゴルフボールの袋を取り出した。数分後、三人は空中にいた。ウッドがハリーに向かってゴルフボールを投げてキャッチさせ、ルナに向かってクアッフルを投げてゴールに投げさせた。ハリーは一つも逃さず、ルナは百発百中の勢いだったので、ウッドは大喜びだった。

「あのクィディッチ・カップに、今年こそは僕たちの寮の名前が入るぞ」

城に向かって歩きながらウッドは嬉しそうに言った。

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