純白の月 (ページ48)

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次の日、朝食の席でハリーが話していた。やはりハグリッドはあの日グリンゴッツから小さな包みを取り出していたらしい。ハリーもルナと同じように、その包みがグリンゴッツからホグワーツに移されたのではないかと考えていた。

『とても大切な物なのかしら…』

「いいや、ものすごく危険な物だな」

「その両方かも」

それ以上の推測は、現時点ではまだできないようだった。

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一週間ほど後、十二羽の大コノハズクが食わえた細長い包み二つが届いた。驚いたことに、ふくろうはルナとハリーの真ん前に包みと手紙を落としていった。

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包みをここで開けないように。

中身は新品のニンバス2000です。

あなたたちが箒を持ったとわかると、みんなが欲しがるので、気づかれないように。

今夜七時、クィディッチ競技場でウッドが待っています。最初の練習です。

M・マクゴナガル教授

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「ニンバス2000だって！」

『今度乗せてあげるわ』

ロンの表情がパッと輝いた。

夕食後、ルナはベッドの上で箒の包みを優しく広げた。ツヤのある柄で、先端近くに金文字でニンバス2000と書かれていた。ルナはそれを細い指でそっと撫で、そしてこの箒に乗って飛んでいる自分の姿を想像し、脱力したように微笑んだ。

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七時近く、ルナはハリーと一緒にクィディッチ競技場へ急いだ。夕暮れの薄明かりが、ルナの横顔を照らしているのを、ハリーは見つめた。

競技場のグラウンド周りにせり上げられた座席がふたりを囲んでいた。グラウンドの両端には、金の柱が三本ずつ立っていて、先端には輪がついていた。ルナとハリーは、ウッドが来るまで待ちきれずに、箒にまたがって同時に地面を蹴った。

『きゃっ、ハリー来ないで！』

「…悪いけどルナ、断るよ」

風をきって、ふたりは飛んでいた。ハリーがルナを追っているのだ。ルナが箒に乗ったとたんに駆け出したのが始まりだ。

ニンバス2000にルナの実力だ。相当はやいのだが、相手は何せシーカーに選ばれたハリーである。すでにルナの後ろまで迫っていた。

思いがけない箒の「追いかけっこ」――ルナはどうにかしてハリーを振り切ろうとして、ゴールポストの間をするりと通り抜けた。

「ルナ！」

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