純白の月 (ページ47)

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47. ページ47

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パッと道が開け、ルナは鍵を杖で軽く叩き、つぶやいた。

『アロホモラ』

カチッと鍵が開き、ドアが開いた――五人は折り重なってなだれ込み、いそいでドアを閉めた。耳を澄ますと、ピーブズとフィルチが近くから去っていく音が聞こえた。

「もうオーケーだ」

ハリーがヒソヒソ声で言った。その時、後ろから視線を感じた。

『え…？』

ルナは振り返り、そして琥珀色の瞳を動かさずに「それ」をはっきりと見た。ハリーが隣で振り返り、そして固まった。そこは四階の『禁じられた廊下』だった。

五人が見たのは、怪獣のような犬の目だった――床から天井までの空間全部がその穴で埋まっている。頭が三つある、牙がぬきだしたけど怪物犬はルナたちをじっと見ていた。雷のようなうなり声が体をゆらしていた。

そして、ルナはあるものに目をとめた。この犬は――扉の上に立っている――？

ハリーがドアの取っ手をまさぐった。五人はさっきとは反対方向に倒れこみ、ドアをバタンと閉めた。みんな飛ぶように廊下を走った。やっと、太った婦人の肖像画までたどり着いた

「まあいったいどこに行ってたの？」

「何でもないよ――豚の鼻、豚の鼻」

肖像画がパッと開き、みんなやっとの思いで談話室のひじかけ椅子にへたりこんだ。

「あんな怪物を学校の中に閉じ込めておくなんて、連中はいったい何を考えているんだろう」

やっとロンが口を開いた。

「あなたたち、どこに目をつけてるの？あの犬がなんの上に立ってたか、見なかったの？」

『あの犬は…そう、扉…仕掛け扉の上に立っていたわ』

「その通りよ！きっと何かを守ってるのに違いないわ！」

ハーマイオニーがハリーたちをにらみつけた。

「もしかしたらみんな殺されたたかもしれないのに――もっと悪いことに、退学になったかもしれないのよ。では、みなさん、私は休ませていただくわ」

「…あれじゃ、まるで僕たちがあいつを引っ張り込んだみたいに聞こえるじゃないか、ねえ？」

ベッドに入ってからも、ルナの頭からは先ほどまでのことが離れなかった。巨大な犬、仕掛け扉――何かを守っている。

ふと、ハグリッドのことが浮かんだ。ハグリッドはグリンゴッツから何かを取り出して――そして――もしかして、あの仕掛け扉の先に…？

ルナには、その「何か」が光に導かれるようにわかったような気がした。

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