純白の月 (ページ46)

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月の光が廊下に縞模様を作っていた。月の光のなかで、ルナの琥珀色の瞳は月と同じように煌めく。ムーンストーンのペンダントがキラッと光った。

トロフィー室に来ると、ドラコはまだ来ていなかった。その時、隣の部屋で物音がして、五人は飛び上がった。

「しっかり嗅ぐんだぞ。隅の方に潜んでいるかもしれないからな」

フィルチがミセス・ノリスに話しかけている。ハリーの手招きについて、五人は反対側のドアへと急いだ。間一髪、フィルチには見つからなかった。

「こっちだよ！」

鎧がたくさん飾ってある長い回廊を、五人は進んだ。ネビルが恐怖のあまり悲鳴を上げ、やみくもに走り出した――つまずいてロンに抱きつき、揃って鎧にぶつかって倒れ込んだ。

ガラガラガッシャーン！すさまじい音が響いた。

「逃げろ！」

ハリーが声を張り上げ、五人は廊下を疾走した。振り向きもせず、全速力で、廊下を駆け抜ける。たどり着いたのはトロフィー室からだいぶ離れた「妖精の魔法」の教室の近くだった。ルナはハリーの隣の冷たい壁に倒れ込むように寄りかかった。

「ルナ――大丈夫？」

『え、ええ…ハリーこそ』

「僕は…大丈夫だよ」

『そう…よかった』

ハリーが額の汗を拭うと、稲妻型の傷がチラリと見えた。その艶めかしい仕草に、思わず彼を見つめ続けてしまう。

「だから――そう――言ったじゃない。グリフィンドール塔まで戻らなくちゃ、できるだけ早く。マルフォイにはめられたのよ。マルフォイがフィルチに告げ口したのよね」

『でも…ドラコとは約束をっ』

「ルナ。申し訳ないけれど、マルフォイは私たちにとっていい人とは限らないみたいよ」

ルナは信じたくないと言わんばかりに、ハーマイオニーから目を逸らした。

「行こう」

そうは問屋がおろさなかった。教室からピーブスが飛び出してきたのだ。

「真夜中にフラフラしてるのかい？」

「どいてくれよ」

ロンが怒鳴ってピーブズを払いのけようとした――これが大間違いだった。

「生徒がベッドから抜け出した！ ――「妖精の魔法」教室の廊下にいるぞ！」

ピーブズは大声で叫んだ。五人は命からがら逃げ出した。廊下の突き当たりでドアにぶち当たった――鍵が掛かっている。顔を真っ青にしたみんなの様子をじっと見つめたルナは、杖を握りしめた。

『みんな、どいて』

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