純白の月 (ページ44)

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「まさか」

夕食時、ルナとハリーが何があったのかを話して聞かせると、ロンは叫んだ。

「シーカーにチェイサーだって？君たちは最年少の選手だよ」

その時、双子のウィーズリーがホールに入るや否やルナとハリーを見つけて足速にやってきた。

「ウッドから聞いたよ。俺たちも選手だ――ビーターだ」

「ハリー、ルナ、君たちはよっぽどすごいんだね」

「じゃあな、僕たち行かなくちゃ。リー・ジョーダンの言ってた秘密の抜け道を確かめるんだ」

「きっと僕らがもう見つけてるやつさ――じゃ、またな」

すると、クラッブとゴイルを従えたドラコが現れた。

「ポッター、最後の食事かい？」

「地上ではやけに元気だね」

ハリーは冷ややかに言った。

「ポッター。僕一人で相手になろうじゃないか。今夜だっていい。魔法使いの決闘さ」

「ああ、いいとも！」

ロンが口をはさんだ。

「真夜中でいいね？トロフィー室にしよう」

ドラコがいなくなると、三人は顔を見合わせた。

『魔法使いの決闘だなんて…』

「ちょっと、失礼」

三人が見上げると、今度はハーマイオニーだった。

「あなたとマルフォイの話が聞こえちゃったの……。夜、校内をウロウロするのは絶対にダメ。まったくなんて自分勝手なの」

「大きなお世話だよ」

「バイバイ」

ハーマイオニーが苦い顔をして立ち去る姿に、ルナは立ち上がった。

『待って、ハーマイオニー！』

「…ルナ」

廊下まで来た時、ハーマイオニーが振り返った。

『ハーマイオニーは寮のためにも、注意しに来てくれたのよね…ありがとう。でも、ごめんなさい。私が代わりに謝るわ。あの二人は必ず、今夜行くわ。それは私も止められない…止める気はないの。だって、相手との約束だもの。約束は破ってはいけないもの』

ルナはもう一歩ハーマイオニーに近づいた。

『でも私もついていくから。二人が捕まらないようにする。だから…大丈夫』

ハーマイオニーは一度俯いた。

「…ええ、こちらこそ」

それだけ言うと、ハーマイオニーは廊下の向こうへ去っていった。ルナもグリフィンドールの談話室に戻った。

「ルナ！きみは、今夜は…」

『もちろん行くわ』

「分かった」

ルナは階段を登った。

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