純白の月 (ページ43)

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自分も取り返したいと思ったその玉を追いかける彼を、応援するように。その姿に、驚くように。彼の耳に、届くように――

ハリーは手を伸ばし、地面スレスレのところで玉をつかんで、転がるように着陸した。

『ハリー、ハリーっ！』

ルナは急いで地面に降り立って、箒を片手に、ハリーのもとへ駆け寄った。

「ルナ…とれた、僕、とれたよ！」

『すごい、すごいわハリー！かっこよかった！すっごく！』

満面の笑みでルナが言うと、ハリーは起き上がって、ルナを腕の中にとじこめるように抱きしめた。

『っ！』

「きゃー！！」

生徒たちから悲鳴が上がった。

『あ、ハリー、えっと…』

「っ…！ご、ごめん、ルナ！つい…」

『いいえ…大丈夫』

ぎこちなく、ハリーがルナから離れた。ルナ自身も、どこか気恥ずかしげな気持ちだった。

「ハリー・ポッター…ルナ・ムーンライト…！」

その時、マクゴナガル先生が走ってきた。ルナとハリーは弾けるように立ち上がった。

「まさか――こんなことは一度も――」

二人についてくるようにと言うと、マクゴナガル先生は城へ歩き出し、教室からたくましい五年生を連れ出して、人気のない教室に入った。マクゴナガル先生は二人の方に向きなおった。

「ポッター、ムーンライト、こちら、オリバー・ウッドです。ウッド、シーカーとチェイサーを見つけましたよ」

「本当ですか？」

「間違いありません。ポッターは手に持っている玉を、ダイビングしてつかみましたし、ムーンライトはポッターと連携して相手の前に回り込むことに成功していました」

ウッドは夢が一挙に実現したという顔をした。

「ウッドはグリフィンドール・チームのキャプテンです」

「体格も、シーカーとチェイサーにぴったりだ。ふさわしい箒を持たせなければいけませんね」

「私からダンブルドア先生に話してみましょう。一年生の規則を曲げられるかどうか。是が非でも去年よりは強いチームにしなければ」

そのまで話すと、マクゴナガル先生はメガネごしに厳格な目つきでルナとハリーを見た。

「ポッター、あなたのお父さまと、ムーンライト、あなたのお母さまがどんなにお喜びになったことか。あの二人も素晴らしい選手でした」

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