純白の月 (ページ40)

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「ルナ…あぁ、ルナ、起きて」

『ん…はー、まいおにー？』

その日、ルナが目を開けると、ハーマイオニーの姿が真っ先に飛び込んできた。

『どうしたの…』

「私、教えようと思って…。とにかく、早く掲示を見た方がいいわ。新しいお知らせがのっているの。それもかなり重要なね」

ルナは眠い目を擦りながら、服を着替えて、ハーマイオニーと一緒に談話室へ降りた。

――飛行訓練は木曜日に始まります。グリフィンドールとスリザリンのの合同授業です――

『なるほどね…』

ルナは掲示を見て、思わず苦笑いをこぼした。これは、文句不満を言う生徒が多くなりそうだ。何せ、グリフィンドールとスリザリンは犬猿の仲なのだから。

「そらきた。マルフォイの目の前で箒に乗って、物笑いの種になるのさ」

「そうなるとはかぎらないよ。あいつは口先だけさ」

「…私、先に大広間へ行くわ…ルナ、ごめんなさい」

『あっ、ハーマイオニー！』

「ルナ？」

ハーマイオニーはハリーとロンの声を聞くと、顔を歪めて談話室から去っていった。まだ、彼らとは仲良くなれていないのだ…。

「ルナも見た？この掲示」

『ええ、今ね。楽しみね！』

「いや、だからそうじゃなくて――」

ロンが呆れたように言った。

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木曜日の朝食の時、ふくろう便がやってきた。ネビルに祖母からの小さな包みが届いた。ネビルはガラス玉をみんなに見せた。

「『思い出し玉』だ！ばあちゃんは僕が忘れっぽいこと知ってるから――何か忘れてると、この玉が教えてくれるんだ」

すると、ドラコがグリフィンドールのテーブルのそばを通りかかり、玉をひったくった。ハリーとロンがはじけるように立ち上がった。

『ハリー、ロン！』

ルナは隣に立つハリーのローブの袖を、くいっ、とひっぱった。だが、マクゴナガル先生がサッと現れたことでどうにかその場は治った。ドラコはクラッブとゴイルを従えてスルリと逃げた。

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その日、ルナもハリーもロンも、初めての飛行訓練を受けるため、正面階段から校庭へと急いだ。太陽につつまれながら、真紅と漆黒のローブがなびき、乳白色が風にのって、ローブの上で踊っていた。マダム・フーチが来た。

「みんな箒のそばに立って。さあ、早く」

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