純白の月 (ページ39)

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「スネイプはものすごく意地悪になるってみんなが言ってるよ…元気出せよ」

『そうよ…ハリーは悪くないわ』

ハリーに声をかけながら三人はハグリッドの小屋へ向かった。ノックすると、吠え声とハグリッドの大声が響いた。

「待て、待て、退がれ、ファング」

戸が開き、ハグリッドは巨大な黒い犬を押さえるのに苦労しながら、ルナたちを招き入れた。三人は初めての授業についてハグリッドに話して聞かせた。ハリーはスネイプのことを話し出した。

「僕のこと本当に憎んでるみたい」

「ばかな。何で憎まなきゃならん？そうだ……チャ、チャーリー兄貴はどうしてる？俺は奴さんが気に入っとった――」

――もしかして、今話題をそらそうとした？

「ハグリッド、これを見てよ…！」

そう言ってハリーが見せたのは、「日刊預言者新聞」の切り抜きだった。

グリンゴッツ侵入される

七月三十一日に起きたグリンゴッツ侵入事件については、知られざる闇の魔法使い、または魔女の仕業とされているが、捜査は依然として続いている。

グリンゴッツの小鬼たちは、今日になって、何も盗られたものはなかったと主張した。

荒らされた金庫は、実は侵入されたその日に、すでに空になっていた。

「そこに何が入っていたかについては申し上げられません。詮索しない方がみなさんの身のためです」と、今日午後、グリンゴッツの報道官は述べた。

「グリンゴッツ侵入があったのは僕の誕生日だ！僕たちがあそこにいる間に起きたのかもしれないよ！」

『ハリー、七月三十一日が誕生日だったのね！私とハリーがであったのが、ハリーの誕生日だったなんて…』

「えっ…？あ、そ、そうだね」

そこまで言って、ルナは我に帰り、考えた。…ルナとハリーがであったあの日、ハリーはハグリッドと一緒にいた。ということは、ハグリッドと共にグリンゴッツにも行ったはずだ。ルナは勘ぐるようにしてハグリッドを見た。

…間違いない。ハグリッドははっきり目をそらした。ハグリッドが、取り出した？『荒らされた金庫は、実は侵入されたその日に、すでに空になっていた』――ならば、ハグリッドは侵入者よりも前に、その“何か”を…取り出した？そう考えれば、話の辻褄が合う。

夕食に遅れないよう、ルナとハリーとロンは城に向かって歩き出した。ルナはずっとそのことばかり考えていた。

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