純白の月 (ページ38)

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スネイプが突然、「ポッター！」と叫んだ。

「アスファデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか？」

――この質問の答えは、まだ習わないはず…！

ハーマイオニーは空中に高々と手を挙げていた。

「わかりません」

「チッ、チッ、チ――ベゾアール石を見つけてこいといわれたら、どこを探すかね？」

「わかりません」

「ポッター、モンクスフードとウルフスベーンとの違いはなんだね？」

とうとうハーマイオニーは椅子から立ち上がって手を伸ばした。

「わかりません」

ハリーは落ち着いた口調で言った。

「ハーマイオニーがわかっていると思いますし、きっとルナもわかっています。彼女たちに質問してみたらどうでしょう？」

ルナはハリーを見た。ルナは、授業が始まる前に呟いていた――『魔法薬学が楽しみな理由？教科書を読んだけど、役に立ちそうなことばかりだったのよ。とっても面白そうで、覚えてしまったわ！』と。

「座りなさい」

スネイプがピシャリとハーマイオニーに言った。

「そうか…ポッター。ならば聞いてみようではないか。――ムーンライト！」

『…はい』

淡々と答え、ルナは立ち上がった。

「我輩が今ポッターに問うた質問の答えを述べよ」

『はい。一つ目の答えは眠り薬で、『生ける屍の水薬』と言われています。二つ目の答えは山羊の胃です。たいていの薬に対する解毒剤となります。三つ目の答えは「同じ植物」です。アコモナイトとも言いますが、とりかぶとのことです』

「…正解だ」

スネイプはハリーに向かって言った。

「もう一人の英雄は答えることができたようだな…？ポッター、君の無礼な態度でグリフィンドールは一点減点」

その後、スネイプは生徒を二人ずつ組にして、おできを治す簡単な薬を調合させた。ルナは相手がまだ見つかっていない様子だったハーマイオニーに声をかけた。ルナたちが調合をしていると、大きな音と煙が上がった。ネビルがシェーマスの大鍋を溶かしてしまったのだ。こぼれた薬が床に広がっていく。

『エバネスコ！消えよ！』

ルナが杖を振って呪文を唱えると、たちまち教室中に広がった薬が消えた。スネイプはネビルを医務室に連れていくように言い、ハリーに向き合った。そして、ネビルに注意をしなかったという理由で減点をした。

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