純白の月 (ページ34)

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大理石の階段をひたすらのぼっていると、突然みんなが止まった。

「ピーブスだ」

ポンと音がして、意地悪そうな目の小男が現れた。

「おおおぉぉぉぉ！かーわいい一年生ちゃん！」

すると、ピーブスはルナに近づいてきた。

「おおお！お前はあの女にそっくりじゃあないか！灰色の男ともよくいたなぁぁ！二人で注意してきやがった…懐かしいなぁ！」

……自分に似た女？灰色の男？

「ピーブス、一年生に絡むな」

ピーブスは舌をベーッと出し、消えてしまった。

「ピーブスには気をつけたほうがいい。――さあ、着いた」

先ほどピーブスに言われたことが気になっていたルナだったが、はっと前を見た。廊下のつきあたりには、太った婦人の肖像画がかかっていた。

「合言葉は？」

「カプートドラコニス」

パーシーがそう唱えると、肖像画がパッと前に開き、みんなはその後ろの壁の高い穴にはい登った――ルナは身長が届かなくてハリーとロンに助けてもらった――穴はグリフィンドールの談話室につながっていた。

『おやすみなさい』

「おやすみ」

「また明日！」

ルナは手を振ってから部屋に入った。そこにはハーマイオニーとラベンダーとパーバティがいた。

「私たち同じ部屋なのよ！」

トランクはもう届いていた。ルナはトランクから出したネグリジェに着替えると、荷解きを始めた。

「何を書いているの？」

『ラベンダー。しもべ妖精に書いているのよ』

「ルナの家、しもべ妖精がいるの！？さすがね！」

『そんなことないわパーバティ。それに、家族と同じだもの』

「家族と同じ…」

ハーマイオニーがボソリと呟いた。

『――アスール、ムーンライト館までお願いできる？リルに渡してほしいの』

アスールはまるでいいよ、と言わんばかりに羽をばたつかせた。ルナはアスールに手紙を託して窓から飛ばせた。そして、真紅のカーテンがかかったベッドのうちの一つに倒れ込んだ。ルナの隣のベッドはハーマイオニーで、その隣にラベンダー、パーバティと続いて倒れ込んだ。ルナは、そっとカーテンを閉めた。

一日の疲れがどっと溢れ出してくる。ルナは明日から始まるホグワーツでの生活に思いを馳せながら、いつの間にか寝息をたてていた

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