純白の月 (ページ31)

今日:7 hit、昨日:74 hit、合計:26,862 hit

31. ページ31

.

ハリーが帽子をかぶった。

「フーム。むずかしい。非常にむずかしい…」

ルナは机の下でぎゅっと手を組んで願った。

――ハリーが、ハリーが生きたいと望む寮に行けますように。

「スリザリンはダメ、スリザリンはダメ」

「スリザリンは嫌なのかね？」

――スリザリンはダメ、スリザリンはダメ…。…もし、できることなら、彼女と一緒がいい…。

「…よろしい、君がそう確信しているなら…頭の中にはっきりとしたイメージがあるのなら…むしろ、グリフィンドール！」

ルナは歓声をあげた。ハリーと同じ寮だ！一緒にいられる……その事実がルナにとって嬉しくて仕方がなかった。ハリーがやってくると、ルナはかけていった。

『ハリー！』

「ルナ…きみと同じだよ…！」

二人が手をとり合って喜んでいると、ルナの時のように握手を求める人々に囲まれた。双子のウィーズリー兄弟は、今度は「ポッターを取った！ポッターを取った！」と歓声を上げている。ハリーはルナの隣に座った。

来賓席の真ん中に、アルバス・ダンブルドアが座っていた。大きな紫のターバンをつけた先生もいた。

「あれ、クィレル先生だよ」

ハリーが言った。

「ウィーズリー・ロナルド！」

「グリフィンドール！」

帽子はすぐに言った。ルナとハリーはみんなと一緒に大きな拍手をした。ロンはハリーの隣の席に崩れるように座った。

…これで、全員の組分けが終わった。マクゴナガル先生はクルクルと巻紙をしまい、帽子を片づけた。アルバス・ダンブルドアが立ち上がった。

「おめでとう！ホグワーツの新入生、おめでとう！歓迎会を始める前に、二言、三言、言わせていただきたい。では、いきますぞ！そーれ！わっしょい！こらしょい！どっこらしょい！以上！」

手元に目をうつすと、見ていなかった間に、目の前にある大皿が食べ物でいっぱいになっている。ルナは少しずつ自分のお皿にとって食べた。

「おいしそうですね」

ひだ襟服のゴーストが悲しげに言った。

「食べられないの？」

「かれこれ四百年食べておりません。まだ自己紹介しておりませんでしたね。ニコラス・ド・ミムジー-ポーピトン卿といいます。お見知りおきを。グリフィンドール塔に住むゴーストです」

「僕、君のこと知ってる！」

ロンが突然口を挟んだ。

.