純白の月 (ページ30)

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帽子をかぶると、フードの時同様ルナの小さい頭はすっぽりと隠れてしまった。

「おや…君は、そうか、ムーンライトの…」

低い声がルナの耳の中で聞こえた。

「ほほぅ…これはむずかしい…どの寮にもふさわしい…。勇気があり、思いやりの心を持ち、学びたいという意欲を持ち、そして狡猾さも備えておる…。何か望みはないのかね？」

『望みはありません。私はあなたの決定に全てをゆだねる気持ちで来たので』

ルナははっきりと、凛々しく言った。

「そうかそうか…では、決めさせてもらおう。きっと、君が大切に思う人とであえる寮じゃ。君が偉大になれる寮じゃ。その名は…グリフィンドール！！」

はじけるような拍手と歓声につつまれた。グリフィンドールの生徒たちが全員立って、喜んでいる。ロンの兄の双子が「プリンセスを取った！」と歓声を上げているのが聞こえた。他の寮の生徒たちは、自分のところに来て欲しかった、と残念そうな表情だ。ルナはそっと帽子を脱いで、椅子に置いた。

『寮を選んでくれて、ありがとうございます』

帽子にそう言うと、ルナはマクゴナガル先生に一礼をして、教師陣を見た。そして、また一礼。ルナがグリフィンドールのテーブルに向かって歩いていくのを、大広間の全員が見つめていた。

「ルナ」

一年生の前を通る時、ハリーが声をかけた。

「おめでとう」

『ありがとう、ハリー』

ルナがグリフィンドールのテーブルに着くと、ハーマイオニーがかけよった。

「ルナ！同じ寮よ！」

『ええ、ハーマイオニー、嬉しいわ！』

たくさんの人がルナに握手を求めた。グリフィンドール生全員が来ているのかと思うぐらいの人の多さだ。

「グリフィンドールへようこそ。僕は監督生のパーシー・ウィーズリーだ」

『ロンのお兄さんですね。よろしくお願いします、監督生』

全員と握手を終え、ルナはハーマイオニーの向かい側に座ると、組分け帽子の方を見た。

ノット――パーキンソン――双子のパチル姉妹。パドマとは寮が離れてしまったが、パーバディがグリフィンドールに入った。

そして、ついに――

「ポッター・ハリー！」

ハリーだ！

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