純白の月 (ページ29)

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「ボーンズ・スーザン！」

帽子がまた「ハッフルパフ！」と叫び、スーザンは小走りでハンナの隣に座った。

「ブート・テリー！」

「レイブンクロー！」

今度は左側から二番目のテーブルに拍手がわき、テリーが行くと何人かが立って握手で迎えた。

「ブラウン・ラベンダー！」

ハーマイオニーのコンパートメントで仲良くなったラベンダーだった。

「グリフィンドール！」

ラベンダーは初めてグリフィンドールになった。一番左側のテーブルから歓声が上がった。双子が口笛を吹いていた。

「グレンジャー・ハーマイオニー！」

ルナはハーマイオニーにこっそりと『頑張って』とささやいた。

「ええ」

ハーマイオニーは走るようにして椅子に座り、待ちきれないようにグイッと帽子をかぶった。

「グリフィンドール！」

帽子が叫んだ。ロンがうめいた。ルナはハーマイオニーに向かって微笑みかけた。微笑み返してから、ハーマイオニーはグリフィンドールの席に着いた。

「ロングボトム・ネビル！」

ヒキガエルに逃げられてばっかりいたネビルが呼ばれた。ネビルは椅子まで行く途中で転んでしまった。決定にしばらくかかったが、帽子はやっと「グリフィンドール！」と叫んだ。

「マルフォイ・ドラコ！」

ドラコがふんぞり返って前に進み出た。望みはあっという間にかなった。

「スリザリン！」

帽子はドラコの頭にふれるかふれないかのうちに叫んだ。ドラコは満足げに椅子から降り、スリザリンの席に行く前にルナを見た。

――スリザリンで待っている。

まるでそう言っているかのようだった。

――組分け帽子のみぞしる、よ。

ルナは心の中でそう呟いた。

「…っ、ムーンライト・ルナ！」

ついにルナの名前が呼ばれた。大広間中がざわめく。

「ルナ・ムーンライト！？」

「『例のあの人』からの攻撃を避けたっていう！？」

「すごく可愛い…！」

ルナは全生徒の注目を浴びながら、ゆっくりと進み出た。

ムーンライト家として、ふさわしいように。父と母の娘として、恥じぬように。琥珀色の瞳は真っ直ぐ前を見据え、その眼差しは美しかった。乳白色の髪がゆれ、光をうけて輝いている。ルナはゆっくりと椅子に座った。

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