純白の月 (ページ28)

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マクゴナガル先生が一年生の前に黙って四本足のスツールを置いたので、ルナとハリーは慌てて視線を戻した。椅子の上には帽子が置かれた。みんなが帽子を見つめている。ルナは瞳を瞬かせた。すると、帽子がピクピク動き、歌い出した。

私はきれいじゃないけれど

人は見かけによらぬもの

私をしのぐ賢い帽子

あるなら私は身を引こう

山高帽子は真っ黒だ

シルクハットはすらりと高い

私はホグワーツ組分け帽子

私は彼らの上をいく

君の頭に隠れたものを

組分け帽子はお見通し

かぶれば君に教えよう

君が行くべき寮の名を

グリフィンドールに行くならば

勇気あるものが住まう寮

勇猛果敢な騎士道で

他とは違うグリフィンドール

ハッフルパフに行くならば

君は正しく忠実で

忍耐強く真実で

苦労を苦労と思わない

古き賢きレイブンクロー

君に意欲があるならば

機知と学びの友人を

ここで必ず得るだろう

スリザリンではもしかして

君はまことの友を得る

どんな手段を使っても

目的遂げる狡猾さ

かぶってごらん！恐れずに！

興奮せずに、お任せを！

君を私の手にゆだね(私は手なんかないけれど)

だって私は考える帽子！

歌が歌い終わると広間にいた全員が拍手喝采をした。帽子は再び静かになった。

『私たちは帽子をかぶればいいのね』

「フレッドのやつ、やっつけてやる。トロールと取っ組み合いをさせられるなんて言って」

ルナが笑って言うと、ロンがささやいた。ハリーは弱々しく微笑んだ。ルナが手をぎゅっと握り返すと、ハリーが驚いたようにルナを見た。

『大丈夫、ハリーなら！』

「…ルナ」

ハリーの表情がほころんだ。今、ハリーの気持ちを落ち着かせられるのはルナしかいなかった。

マクゴナガル先生が長い羊皮紙の巻紙を手にして前に進み出た。

「ABC順に名前を呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組分けを受けてください」

マクゴナガル先生が一年生を見回した。

「アボット・ハンナ！」

ピンクの頰をした、金髪のおさげの少女が、転がるように前に出てきた。腰掛けた。一瞬の沈黙…

「ハッフルパフ！」

帽子が叫んだ。右側のテーブルから歓声と拍手が上がり、ハンナはハッフルパフのテーブルに着いた。

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