純白の月 (ページ27)

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「お静かに」

マクゴナガル先生の一言で、みんな静まった。

「学校側の準備ができたら戻ってきますから、静かに待っていてください」

マクゴナガル先生が部屋を出ていった。

「いったいどうやって寮を決めるんだろう」

ハリーがルナとロンにたずねた。

「試験のようなものだと思う。すごく痛いってフレッドが言ってたけど、きっと冗談だ」

ロンの言葉を聞いて、ハリーは不安げにあたりを見わたしたが、他の生徒も怖がっているようだった。ルナの後ろに立っていたハーマイオニーは、どの呪文が試験に出るんだろうと、早口でつぶやいていた。

突然不思議なことが起こった。その壁からゴーストが二十人ぐらい現れたのだ。真珠のように白く、透き通っている。ハリーは無意識にも「ルナのほうが白くて綺麗だ」と考えてしまっていた。

「――おや、君たち、ここで何してるんだい」

ひだがある襟のついた服を着て、タイツをはいたゴーストが、急に一年生たちに気づいて声をかけた。

『私たちは新入生です。今から組分けされるところです』

ルナが代表して答えた。

「おお、それなら、ハッフルパフで会えるとよいな。わしはそこの卒業生じゃからの」

太った小柄な修道士らしいゴーストが言った。

「さあ行きますよ。組分け儀式がまもなく始まります」

マクゴナガル先生が戻ってきたのだ。

「さあ、一列になって。ついてきてください」

一年生は部屋を出て再び玄関ホールに戻り、そこから二重扉を通って大広間に入った。そこには、夢にも見たことのない、不思議ですばらしい光景が広がっていた。何千というろうそくが空中に浮かび、四つの長いテーブルを照らしていた。広間の上座にはもう一つ長いテーブルがあって、先生方が座っていた。

マクゴナガル先生は上座のテーブルのところまで一年生を引率し、上級生の方に顔を向け、先生方に背を向けるかっこうで、一列に並ばせた。みんなが見つめる視線から逃れるように、ハリーが天井を見上げると、ビロードのような黒い空に星が点々と光っていた。

『綺麗ね』

「そうだね…」

ルナの乳白色の髪は、ろうそくの灯りを伴ってまるでベールのように輝いていた。ハリーはその横顔を見て、手を握る力をゆっくりと強めた。

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