純白の月 (ページ24)

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24. ページ24

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『ロン』

ルナが静かに、でもはっきりと言った。ロンは少し推し黙ってから、目を逸らすようにしてハーマイオニーの方を向き、今さらながら尋ねた。

「何かご用？」

「二人とも急いだほうがいいわ。ローブを着て。ルナが私のコンパートメントで着替えている間、何もしなかったのね。私、前の方にいって運転手に聞いてきたんだけど、けんかしてたんじゃないでしょうね？まだ着いてもいないうちから問題になるわよ！」

「スキャバーズがけんかしてたんだ。僕たちじゃないよ」

「それに、ルナは、問題になるからって相手を止めてくれたんだよ」

ロンはしかめっ面でハーマイオニーをにらみながら、ハリーはルナを優しく見つめながら言った。

「よろしければ、着替えるから出て行ってくれないかな？」

「いいわよ――ルナ、行きましょう」

『え、ええ』

「ついでだけど、あなたの鼻、泥がついてるわよ。気がついてた？」

ロンはハーマイオニーが出ていくのをにらみつけていた。ルナはハーマイオニーを追った。外に出てコンパートメントを閉めると、ルナはそっとハーマイオニーに声をかけた。

『あのね、ハーマイオニー。私もあなたと同じで、教科書を暗記したわ。それに、呪文も全て試した。ハーマイオニーと私って、気が合うのかもしれないわ』

自分から言うのは、どこか気恥ずかしいことだった。

「あら、そうだったの？ルナ……あなたとはライバルになりそうね」

『ふふっ。あと……私たちのこと、気にかけてくれて、ありがとう』

「…い、いいえ」

その時、車内に響き渡る声が聞こえた。

「あと五分でホグワーツに到着します。荷物は別に学校に届けられますので、車内に置いて行ってください」

ローブに着替えたハリーとロンが急いでコンパートメントから出てきた。

『二人とも似合ってるわ』

「ルナもだよ」

四人で列車の外に出ると、小さな暗いプラットホームだった。

『さ、寒い…！』

夜の冷たい風に体を震わせていると、ハリーが、そっと手を握った――「ルナ」、と名前を呼びながら。ぽかぽかと感じる暖かさに、ルナは表情をほころばせて『ありがとう』と言った。

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