純白の月 (ページ23)

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「ポッター君。僕ならもう少し気をつけるがね。もう少し礼儀を心得ないと、君の両親と同じ道をたどることになるぞ。君の両親も、何が自分の身のためになるかを知らなかったようだ。ウィーズリー家やハグリッドみたいな下等の連中と一緒にいると、君も同類になるだろうよ」

ハリーもロンも立ち上がった。ルナはドラコたちの間をすり抜けて、ハリーとロンを守るように立った。

『そろそろやめて』

「もう一ぺん言ってみろ」

ロンが叫んだ。

「へぇ、僕たちとやるつもりかい？ ――ルナ、きみは下がるんだ」

『ドラコ、人を悪く言うのはやめて。私は下がらない』

「今すぐ出ていかないならやるよ」

ハリーはきっぱり言った。

「出て行く気分じゃないな。君たちもそうだろう？」

ゴイルはロンのそばにある蛙チョコに手を伸ばした…ロンは飛びかかった、が、ゴイルにさわるかさわらないかのうちに、ゴイルが恐ろしい悲鳴を上げた。ねずみのスキャバーズが指に食らいついている。ゴイルはスキャバーズをグルグル振り回し、喚いた。

ルナが瞬時に杖を抜き、ドラコとクラッブに突きつけると、二人は後ずさりした。やっと振りきって、スキャバーズは窓に叩きつけられた。ルナは杖を突きつけたまま言った。

『入学早々問題を起こしちゃダメ。それはあなたが一番わかっているでしょう？ドラコ』

「…っ」

ドラコは顔を歪めて、二人を引き連れて足早に消え去っていった。

ハーマイオニーが間もなく顔を出した。

「一体何やってたの？」

床いっぱいに菓子は散らばっているし、ロンはスキャバーズのしっぽをつかんでぶら下げているし、ルナはまだドラコのいた場所に向かって杖を突きつけたままだった。ルナはハーマイオニーと目が合うと、そっと杖を下ろした。

「マルフォイにあったことあるの？」

ハリーはロンにダイアゴン横丁での出会いを話した。もちろん、ルナとのこともだ。

「僕、あの家族のことを聞いたことがある」

ロンが暗い顔をした。

「『例のあの人』が消えた時、真っ先にこっち側に戻ってきた家族の一つなんだ。パパは信じられないって言ってた。マルフォイの父親なら、闇の陣営に味方するのに特別な口実はいらなかったろうって」

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