純白の月 (ページ22)

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ハーマイオニーのコンパートメントには他に女の子が三人いた。

「こんにちは、私、ラベンダー・ブラウンよ！」

「私はパーバティ・パチル」

「双子のパドマよ！」

『ルナ・ムーンライト。よろしくね』

ルナはラベンダー、パーバディ、パドマたちとすぐに仲良くなった。

ルナがローブに着替え、ハーマイオニーたちと別れてハリーとロンのコンパートメントに戻ると、入り口に男の子が三人立っていた。

『…ドラコ？』

「ルナ？」

真ん中の男の子が振り返った――ドラコだ。

「ルナ、知り合い？」

コンパートメントの中からハリーが聞いた。

『ええ』

「ほんとかい？このコンパートメントにハリー・ポッターとルナ・ムーンライトがいるって。汽車の中じゃその話でもちきりなんだけど。…ところで、ルナ、きみはどこに行っていたんだ」

ドラコがルナに迫った。

『本当よ。ハリー・ポッターは彼。私はさっきまで新しい友達のところでローブに着替えていたの』

「僕がハリー・ポッターだけど、何か？」

ハリーがルナの言葉を引き継いだ。

「こいつはクラッブで、こっちがゴイルさ」

ハリーがクラッブとゴイルのことを見ていたので、ドラコは無造作に言った。

「そして、僕がマルフォイだ。ドラコ・マルフォイ」

ロンは、くすくす笑いをごまかすかのように軽く咳払いをした。ドラコがそれをめざとく見とがめた。

「僕の名前が変だとでも言うのかい？君が誰だか聞く必要もないね。父上が言ってたよ。ウィーズリー家はみんな赤毛で、そばかすで、育てきれないほどたくさん子供がいるってね」

それからハリーに向かって言った。

「ポッター君。そのうち家柄のいい魔法族とそうでないのとがわかってくるよ。間違ったのとはつき合わないことだね。そのへんは僕が教えてあげよう」

ドラコはハリーに手を差し出して握手を求めたが、ハリーは応じなかった。

「間違ったのかどうかを見分けるのは自分でもできると思うよ。それにルナがいるしね。どうもご親切さま」

ハリーは冷たく言った。ドラコの頬にピンク色がさした。

――「ルナがいるしね」。その言葉が、胸の中でどくんと脈打った。

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