純白の月 (ページ3)

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『リル、返事を送っておいて。入学しますって！』

　
「わかりました！では、リルめはふくろう便の手配をいたしますので…」

　
そういうなり、リルは屋敷のほうへかけて行った。

ふふっ。再びひとりになったルナが微笑んだ。

――私も、ホグワーツでであえるのかな。

それは、幼い頃からずっと憧れていたことだった。今はもう記憶にはほとんど残らない両親のように、運命の人とホグワーツで過ごしたい、と。

ルナは聖29一族ムーンライト家嫡流最後のひとりだ。父と母であるルークとシャインはもういない。一人娘であるルナは、大切に家であるムーンライト館にかくまわれてきたのだ。

――例のあの人から隠れるために。

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翌日、白いワンピースを見に纏ったルナは館のリビングに立っていた。

「あぁ、リルはお嬢様について行けなくてとても心配です…！」

『大丈夫よ、リル。私はダイアゴン横丁に行くだけだから。リルは人目が苦手でしょう？無理することなんてないわ』

「ルナお嬢様…！」

『それに、マルフォイ家――ルシウスさんにナルシッサさん、ドラコが一緒に来てくれるそうだから。私、ドラコと一緒なら安心よ』

「そうでございましたね。マルフォイ家の皆様は、マグル生まれには厳しいですが、お嬢様にはとてもお優しい…。これで一安心でございます！」

『ふふっ、心配性』

ルナはそう言ってから、煙突飛行粉を取り出した。そして、ムーンライト館の中で一番大きく立派な白色造りの暖炉に投げ入れる。

『じゃあ、行ってくるわ。……漏れ鍋！』

ルナは燃え盛る暖炉の中に飛び込み漏れ鍋の名を唱えた。

次の瞬間、ルナは消えた。

目を開けると、そこはムーンライト館ではなく、人が多い古びたパブの中…漏れ鍋だった。暖炉の中から出てきたにもかかわらず、乳白色の髪は美しくゆれていた。

「ルナ！」

『…ドラコ！』

ホワイトブロンドの少年がルナに向かって歩いてきた。この少年が、ルナの探していたドラコ・マルフォイである。

「ルナ、久しぶりだな」

『ドラコ、少し背が伸びたんじゃないかしら？』

幼馴染との再会を喜んでいると、二人の名を呼ぶ声がやってきた。

「父上、母上」

『ルシウスさん、ナルシッサさん！お久しぶりです』

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