純白の月 (ページ15)

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プラットホームは、子供との別れを惜しむ家族でいっぱいだ。

――いいなぁ。

そう思いながら、ルナはプラットホームから目を離し、アスールと遊び始めた。

――そういえば、もう一人の『生き残った子』、ハリー・ポッターも、私と同い年だから今年からホグワーツね。

ルナはふと、そんなことを考えた。

――そんな称号、関係なしに話してみたい……仲良くしたい。

そうルナが思った瞬間、ガラッと音を立ててコンパートメントの戸が開いた。

ルナが戸の方を見ると、そこには鮮やかな緑の瞳に、印象的な黒い髪の、丸い眼鏡をかけた男の子が立っていた。

――マダム・マルキンの店でであったあの男の子だ！

『……こんにちは』

ルナは微笑んで挨拶をした。

「……つかまえたっ」

『……え？』

男の子が言ったのは、「つかまえた」という言葉。どういう意味なのか、ルナにはわからなかった。

「や、あの……ここ、一緒に座ってもいいかな？空いてるところがもうないんだ」

『ええ、いいわよ。あなた……マダム・マルキンの店でであった人よね？』

「っ、覚えててくれたの？」

『ええ。あなたとは話しやすいって思ってたから』

「僕もだよ。――きみの顔はフードで見えなかったけど」

ルナは男の子が自分のことを覚えていたと知り、嬉しくなった。

男の子はルナの隣の席に座った。

「そうだ。名前、言わなきゃだよね。僕、ハリー・ポッター」

ルナは驚いて、元から丸く輝く瞳を、さらに丸くした。目の前にいるこの男の子が、自分と同じ“生き残った子”。ヴォルデモートの呪いを、自分にはできなかったように跳ね返した、ハリー・ポッター。

『あなたが…』

「うん。僕、すごい、すごいって言われたけど、よくわからないんだ」

ハリー・ポッターは英雄であることを鼻にかけていない。その事実に、ほっとした。――“良い人”なんだ、ハリー・ポッターは。

『私はルナ。ルナ・ムーンライト』

「ルナって呼んでも良い？」

『もちろん。私はハリーって呼ぶわね』

「うん。よろしくね、ルナ」

『ええ、よろしくねハリー』

そう言って、ルナとハリーは握手をした。ルナにとって、ホグワーツで初めての友達――大切にしたい存在だった。

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