純白の月 (ページ13)

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「さぁ、かなり買ったが、何か忘れているものはないか？」

「ルシウス、あなた、動物を忘れているわ。ドラコ、ルナ、何か持っていきたい動物はいない？」

『私、ふくろうがほしいです。ふくろう便が使えるので！』

「確かに。僕も同感だ」

そして、一行は最後にイーロップふくろう百貨店に入った。中にいるたくさんのふくろうはみんな宝石のように輝く瞳でルナたちのことを見ている。

『綺麗……』

そう言いながら、ルナが店の中を歩いていると、一匹のふくろうと目があった。ミルクティーのように薄いなめらかな茶色の毛に、サファイアのように輝く瞳のオスだった。

『あなた……とても綺麗な瞳ね。ねぇ、あなたが良ければ、私のところに来ない？一緒にホグワーツへ行かない？』

すると、ふくろうは嬉しそうに籠の中で羽を動かして鳴いた。

『ありがとう！あなたの名前は、そうね……スペイン語の青からとって、アスール、なんてどうかしら？』

ふくろうが羽を動かす――気に入ったようだ。

『ふふっ、よろしくね』

アスールは喜んで鳴いた。

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マルフォイ家とは漏れ鍋で別れて、ルナはまた煙突飛行粉でムーンライト館へ戻った。

「お嬢様！おかえりなさいませ！」

『リル、ただいま。みて、このふくろう！アスールよ。とても綺麗でしょう？』

「はい、とても輝いております。これでお嬢様がホグワーツに行かれても手紙が出せます！」

『そうね、たくさん書くわ！』

ルナが笑った。

――ふと、白造りの暖炉の上に飾られている写真立てに目がいった。父と母の生前――学生時代の写真だ。

母、シャインが、父、ルークと並んでいた。

ルナと瓜二つの容姿を持つシャインは、唯一ルナと違う水晶のように無垢な空色の瞳をキラリと輝かせ、悪戯っぽくピースサインをつくっている。

シャインの乳白色に負けないほど艶やかなルークの髪は灰色で、ルナと同じ琥珀色の瞳を際立たせ、優しく微笑みピースサインを向けている。

ふたりの胸元には、同じ紅と黄金のネクタイがたなびいていた。

誰がどう見ても「幸せだ」と見て取れる表情のふたりは、いつまでも続く、まるで永遠のように思われた。

『――永遠』

写真から目を背けるように、ルナは暖炉を離れた。

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