☆悲しみの感情 ページ31
あたたかくて、でも、それは燃えるような熱さで、ジクジクとした痛み。
痛みは無いと思っていたのに、痛い。
でも痛みと一緒に塵になって、消えてしまう。思っていたより消えるのは大した事じゃあなくて。呆気なくて、恐怖は感じなかった。
やっぱり、ただ、消えるだけ──
「何してるッ！！！！！」
ハッとした。
今まで居なかったはずなのに、扉は閉じていた筈なのに、気づけば承太郎がすぐ目の前に立っている。
外から冷たい風が入ってきていた。
承太郎は眉間に皺を寄せていた。何故か苦しそうだった。
私の手の消えた右手の手首を、悲鳴が鳴るほど、力強く掴まれている。
私が口を開けるより先に、承太郎が絞り出すように言った。
「……テメー死ぬ気か？」
「いいえ、ただ──」
「死ぬな」
強い口調と、睨むような視線に、自分が悪いことをしたような気持ちになって目をそらす。
「それは──」
「命令だ……いいから、死ぬんじゃあねェ」
痛いくらいに抱き寄せられて、掠れた声で乞われる。
「私はただ、DIO様の所に行けるかと……」
「死んだら何も無くなるだけだ。DIOはもういねェ」
「……どうして」
もう居ないと、分かるのはどうして？まだもしかして、そこに居るかもしれない。
今更になって、目から涙が溢れるのは何故だろう。なんでこんなにも苦しいのだろうか。
DIO様には、もう二度と会えないなんて、そんなの苦しい。
「おれを恨んでも良いから、死ぬな」
嗚咽で喋れないので、無言で緩く首を振った。
恨んではない。DIO様は死んでも恨まれても仕方ないと、分かっていて。許されないことをしたと分かっている。
そして、知っていたはずなのに、何もしなかった私も、それは同じはずだと思った。
その日承太郎は学校を休み、傍でずっと漫画かテレビを見ていた。
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もむ(プロフ) - ねこにこみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！気に入って頂けて良かったです！！☺️ (2022年12月6日 20時) (
レス) id: eb2a8276cb (このIDを非表示/違反報告)
ねこにこみ(プロフ) - 完結おめでとうございます……！！めっちゃ好きな作品です……！！ (2022年12月5日 21時) (レス) @page42 id: e3e17bc231 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - ろぐろぐさん» ありがとうございますw作品序盤の方だけ見ましたが謙遜ですね？！まさかの連載中とは吃驚しました…お互い連載頑張りましょう！ (2022年7月21日 0時) (レス) id: eb2a8276cb (このIDを非表示/違反報告)
ろぐろぐ(プロフ) - 好きィ。好き通り越して愛しいくらい素晴らしい作品です♡私の投稿する作品とは大違い…(遠い目)。これからの更新楽しみにしています！ (2022年7月20日 9時) (レス) id: e8d14a72f8 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - 匿名さん» モチベ上がりました！コメありがとうございます！！頑張ります😘 (2022年6月28日 22時) (レス) id: e33597e408 (このIDを非表示/違反報告)
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