私が飼った猫が、突然喋り出した件について。

お喋り 12 ページ13

「帽子さーん！どこー⁉」

こんにちは、高波帆春です。
ポートマフィアの皆さんとピクニックに来て、鼻歌も歌っちゃうぐらい上機嫌だった私です、が…………。

今は切羽詰まった表情で、チューヤの黒い帽子を探しています。
「事の発端は数分前………」
うわっ、ひぐっちゃんがどこからか取り出したマイクで、実況始めちゃったよ。

「少し急な崖の上でシートを広げ、軽くお酒を飲んでいた私達は、突如吹いた風に、反応が遅れました」
私はお酒、飲んでないけどね？

「まあ被害者は中也さんだけでしたけどね。中也さんの帽子がどこかに飛んで行っちゃいました！」
笑顔で云うひぐっちゃん。チューヤがいたらはっ倒されるよ。

「帽子のない中也さんは五大幹部としても、成人男性としてもヤバい感じになっちゃいましたので、皆で帽子を探している次第です」

肩をすくめるひぐっちゃん。
え？何？この展開、見たことある？
………………気のせいじゃないっ？

『帽子が…崖から落ちちゃったよおおおおお。おれのだいじなぼうしがあ』

そう云いながら泣きじゃくってたチューヤは、まあ確かに、五大幹部とも、成人男性とも思えなかったなぁ。

「私(わっち)はあっちで休んでていいかえ？もう疲れてもうてのう………」
あくびをしながら云うコウヨウ。私とひぐっちゃんはハッとする。

なぜなら。
コウヨウの背後に__________

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