to you .5 (ページ35)

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僕は、花束にはたくさんの輝く思い出が一緒に包まれていると思っていた。

なのに、この花束に包まれるのは、とっても悲しい記憶。

｢俺、素直やないから、生きてる時もなかなか伝えられへんかったんです。せやから、この花言葉調べて、届いたらええなって｣

この花、ミモザの花言葉は

｢感謝｣

それから

｢真実の愛｣

｢すんませんw俺あいつのことになると、ロマンチストなるみたいっすわw｣

そう、笑って言う彼だったけど

その声は泣いていた。

｢すみません。こんなこと聞いてしまって｣

｢そんな謝らんといてください！あいつ、人懐こくてお喋り好きやったんで、たぶん俺がひとりでしんみりしてるよりは、誰かに話して笑ってた方が嬉しいやろし｣

｢僕で良かったら、いつでも話聞くぐらいはできるから｣

｢じゃあ、もう少しだけ聞いてもらってもいいっすか？w｣

ぎこちなく引っ張られた口角は楽しかった思い出を

遠慮ぎみに下がった眉は寂しさを隠しきれず

うっすらと水を張る瞳

そんな表情をする彼は知っているのだろうか

ミモザの花言葉

それだけじゃないって