11話 ページ11
「もしもし？」
「あんずちゃんっ！」
「ん？もしかして…」
「そ、そう！そのもしかして！たぶん…」
「ええ！？とりあえずおめでとう！ていうか、たぶんって何よたぶんって」
「ふふっ、ごめん。ねえ、どうしよう」
「どうした？」
「私どんな顔したらいいんだろう」
「は？あぁ、言葉悪くなったわ、ごめん。いつもどおりで良いんじゃない？いつもどおりAちゃんから光くんの背中にドーンって」
…あんずちゃんに言われたこと、確かに昨日、いや、今日の朝まで普通にしていた。
今思い返すと、平然とやっていた私の行動1つに赤く顔が火照ってきて、心臓につらい。
「さすがに、それはっ…！」
「ふふっ。ようやく分かったみたいね。あたしたちが君らを見てどんな思いしてたのかと」
「…ごめんなさい」
「まあ、そんなに気にしてないから。明日からの2人見るの楽しみにしてるから」
「え、あ、ちょっと！？」
あんずちゃんは相変わらずさっさと電話を切った。
その後メールでは「やるべきことはやる、そこは切り替えよろしく」と書かれていた。
今までのことを思い返して、また頬がほてってくる。
「ああ、どうしよう…っ」
ガサッ
音をたてて落ちたのは帰り際に貰った、私が食べれなかったクロワッサンのはいった袋。
「なんかお腹すいてきたな〜」
私は立ち上がるとクロワッサンのはいった袋を持ち上げる。
「ん？」
袋に何か書いてあるみたいで、裏向きにする。
「…っ！」
そこには、あの時の私がRa*bitsに向けて書いたように油性ペンで書かれている。
すきです。
たった1言だけ。
私は今日だけで2回すきと言われたのだ。
「私だって好きだわ…」
そう呟きクロワッサンを1つ出す。
「冷たくなってるなあ…」
光くんが私の目の前でおいしそうに食べている時はサックサクで店内にバターの良い匂いがただよっていたのに。
なんか、少し、悲しくなってきた。
「さっきまで会ってたのに、もう、会いたい…」
そんな私の声はクロワッサンに吸い込まれた。
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あいらいす(プロフ) - コメント失礼します！わたしはみつる推しなのですが、なかなかメインのモノがなく…こちらやっと見つけて読ませていただいたのですがとてもキュンキュンしました(*´-`*)めちゃくちゃ感動してます…！続き楽しみにしてます！頑張ってください☆ (2016年5月7日 23時) (
レス) id: 143028f12a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚日 | 作成日時：2016年4月23日 0時
