2話 ページ2
ちょうど物陰になっているのか、彼らに私の存在が見えてないようだった。
「どうするんだろ…」
4人は戻るのか歌うのか。
きっと戻るのだろうと思っていたら1人が歌い始めた。
〜♪
「綺麗…」
あまりにも綺麗な歌声に私は思わず口に出してしまっていた。
その声が他の3人も聞こえたようで、他の子も最初の歌声にのせて歌い始めた。
私は思わず座ると背負っていたリュックから油性ペンを出す。そして袋からパンを全て出しビニール袋を地面に広げると考える間もなくペンを走らせていた。
…何分経っただろうか。
終わって、手が痛くなる程拍手をしてステージに駆け寄る。
「あ、あの！！」
「…ありがとう、ございます！！！！」
私の声を遮るように4人はこれでもかとくらい深くお辞儀をしたのだ。
たった1人の私の為に。
その姿に涙が出そうになるのを必死にこらえ、パンがはいったビニール袋を彼らに見せる。
「本当に本当に感動した！！えっと、これ！あげます！私があなた達に出会えて本当に嬉しかった！見て聞いて良かった！歌、ものすごく良かった！！だから！！」
声を少し震えさせながら、溢れそうになる涙を必死にこらえ、私は笑顔を作る。
目の前に居る彼らは涙を流していた。
つられて泣きそうになるのを必死にこらえる。
彼らは何回も私にお礼を言うと「ま、また来てください！」「待ってるんだぜ！」「待ってますから！」と4人共最後は笑顔で私を迎えてくれた。
外に出た後、近くにあった噴水に背中をもたれかかっておさえきれなくなってあの時よりも周りの人なんか気にせず大声で泣いた。
数分後。
私は涙を拭うとリュックから転入届を出す。
「夢ノ咲学院プロデュース科転入届」
と確かに書いてある。
「もしもし…？」
「どうだった？Ra*bitsは」
「すごく良かったよ」
「そう…。それは、とても良かった。それで転入する気になった？」
「…うん。」
「良かった。5月からおいで。あたしは歓迎するよ」
「ねえ、あなたって…」
「やっぱり名乗らなきゃだよね。あたしの本名は、鈴木あんず。」
「あんずちゃん…」
「そう。あんずっていうの。夢ノ咲学院プロデュース科2年鈴木あんず。あなたを歓迎するわ、咲崎Aちゃん。」
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あいらいす(プロフ) - コメント失礼します！わたしはみつる推しなのですが、なかなかメインのモノがなく…こちらやっと見つけて読ませていただいたのですがとてもキュンキュンしました(*´-`*)めちゃくちゃ感動してます…！続き楽しみにしてます！頑張ってください☆ (2016年5月7日 23時) (
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作者名：柚日 | 作成日時：2016年4月23日 0時
