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退院するまで ページ41

次の日。今日は看護師の声で目が覚めた。
自分の体は少し動くようになり、声も出るようになった。と言っても、足と腕を横に動かせるくらいだし、言葉だって流暢に出てこない。それでも俺は嬉しかった。

面会可能な時間帯になり、一番乗りですっ飛んで来たのは福良だった。
「伊沢!」
取り乱すふくらPを初めて見たかもしれない。
「伊沢が入院してること言っちゃたけどいいよね!?」
「あとから、いう?それ」
何も考えずに発表するはず無いんだから…俺は別にいいよ。
「いや、んーと確認…」
「いいよべつに」
「良かったぁ」
と、大きな溜息をついた。
沢山クイズノックのこと考えてくれたんだろう。目の下にはうっすら隈ができている。

「…早く退院してくれ」
「おまえも、むちゃ言うな」
「もしかして河村も言った?」
福良とは違って…声帯だけだけど
「いや、やつは休めって」
「声を、なおせと」
「あ〜」

しばらくの間沈黙が続いた。
俺の顔を見つめながら考えるので、ウインクしてやったら福良はふき出して笑った。しかし、沈黙は続いた。
「あのさ、伊沢。リハビリの話は聞いた?」
「りはびりぃ!?」
そんなの初めて聞いたぞ。俺そんなに悪いの?
「医者が言うには、3週間から一カ月間なんだって。」
「なが」
「回復が速いから短くなるかもしれないって言ってたけど」
ああ良かった。
「Quiz Knockの事は大丈夫…うちの社員は頭いい人ばっかりだし、だからさ休んで。早く治して」
やっぱり良い人達だ。

「ん、任せた」
「…任しといてね」

そう言って時間切れなのだろう。渋々外に出た。

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作者名:MOKKA | 作成日時:2023年8月9日 15時

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