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時計を見ると、既に数時間が経っていた。

体を動かすと、ぱたりと落ちる何か。
タオルだった。

きっと女将がかけてくれたんだ。
お礼を言わなきゃ、と体を起こそうとした時


「はい、みたらし団子だよ!あんたぐらいね、こんな暑っついのに団子食べに来るやつは」

客…か?
女将の声しか聞こえないけど、客が帰るまで体を起こすのはやめてじっとしとくことにした。

「…ん?ああ、別に大丈夫だよ。仕事が忙しいみたいで寝かしてやってるのさ」

女将さん…
なんか恥ずかしい。でもそれが彼女の優しさだと心が暖かくなる。

客も私のことを心配したようだ。

こんな見ず知らずの人を…
世の中にはいい人と悪い人の差が大きすぎる。


そのまま何分だっただろうか。意外とすぐだったかもしれない。

ガタッと椅子から立つ音がして、女将のありがとね!という声が聞こえて、客は帰ったと分かった。









「じゃあな。そこの人も、気をつけろよ」








_____聞き覚えのある声だった。
いや、聞き覚えしかない。
反射するように体が飛び上がる。

「あら、Aちゃん起き…」

「今の人は!?」

店前に駆け寄った時にはもう、からの皿しかなかった。
道に出て左右を見ても通行人に紛れてしまって見当たらない。

呼吸が荒くなる私を、女将が心配そうに


「大丈夫?万事屋さんと知り合いなの?」

「万事屋…?」


どこかで聞き覚えがある、気がする。

「名前は?」

と聞いたら

「えっと…ああ、ごめんなさいね。私万事屋さんとしか呼んだことないから」

「…大丈夫です。あと休ませてくれてありがとうございました。おかげでスッキリしました。」

「いいのよぉ。体調は大丈夫?万事屋さんと知り合いだったのね!ごめんねぇ」

ぶんぶんと首を振って、おだいを払ってから店を出た。

今、確かにここにいた。
ギュッと裾を握りしめる。


あいつだ。
銀時だ。
坂田銀時が、ここにいたのだ。


震える手で、口元を抑えた。
全然気分じゃないのにニヤケてしまう。昔から泣きそうになるとニヤけるのが癖だった。

その度にあいつは
『泣いてるのに笑うなんて、変なやつだな』
と笑って側にいた。


ああ、ダメだ。
数珠繋ぎで思い出が蘇っていく。




「銀時…っ、」



そう呟いた声は、夏の青空に吸い込まれていった。

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睡魔 noa(プロフ) - 続き待ってますヾ(*´∀`*)ノ (2018年9月4日 20時) (レス) id: 4176890134 (このIDを非表示/違反報告)
八木楓(プロフ) - しゅき (2018年9月2日 21時) (レス) id: dbe5bf77f2 (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - あの、岡田以蔵ではなくて、岡田似蔵だと思います! えと、応援してます!!すっごく好きなんで!!頑張ってください!! (2018年9月2日 18時) (レス) id: 0ad6a2b0ae (このIDを非表示/違反報告)
アニオタ菌@葵 - 異三郎ですよ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き気になります!更新頑張って下さいね! (2018年8月27日 11時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年8月24日 11時

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