【銀魂】口悪姉さん【坂田銀時】 (ページ14)

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たまやと叫ぶヤツは声枯れろページ14

「わぁ、お祭りだわ。ねぇあそこ見ても…」

「ダメです」

「じゃあ金魚すくい…」

「ダメです」

「型抜きしたいわ」

「ダメです」

「じゃあ何すればいいの！」

「ここで座っててください。」

やだやだやだやだ！！と暴れるそよ姫。まぁこれは楽に想像出来た。

「勘弁してくださいよ姫、今日は本当にやばいんで。本当は城出るだけでもやばいんですよ？」

「つまんないわ！ねぇ、そうでしょお兄様！」

「…そよはもう少し落ち着いた方が良いぞ。」

流石に将軍様に言われたら、何も言い返せないのか頬を膨らませて拗ねた。
まぁこっちの方が大人しくなるからいいか…

「ありがとうございます、将軍」

「いや、そなたこそいつも我がそよの面倒ご苦労である。」

「ありがたきお言葉。本日は将軍に大いに楽しんでもらえるよう、全力を尽くさせていただきます。」

そう言うと、パンっ！と弾ける音がした。
そして湧く歓声。

花火が始まったようだ。将軍の特等席から見あげる花火はどれだけ貴重か

…もしかしたらどこかで、あいつもこの花火を見上げているのかもしれない。

「あれが江戸1番のカラクリ技師、平賀源外か」

「ロボットですわ、兄上！すごい！」

花火独特の匂いが風に乗って流れていく。

…いや、なにか違う。
違う匂いが混ざってる。

これは…

そう気づいた時には、もう始まっていた。

『こちら真選組！突如ロボットの軍隊が現れました！至急応援をお願いします』

イヤモニから入ってくる連絡のあと、『Aさん、将軍は無事ですか』と聞きなれた声が聞こえる。

「無事です。既にシェルターへの避難、完了しました。」

『ならいいです。ではあなたも応戦しなさい』

「…分かりました。」

会場に戻ってみれば、雪崩のように押し寄せる一般人。

あちこちで聞こえる悲鳴、爆撃の音…
いや、これは威嚇射撃か？

周りが土埃でよく見えない。
あーあ。せっかく今日は晴れたのに

「花火すらもろくに見させてくれねぇのか」

「花火なんて見る興が、お前にあったとはなぁ」

固まる身体。

振り返れば、視界の悪い中でもはっきりと見える紫を身に纏う、男がいた。

…まさかこうも簡単に会えるなんて

「よぉ、久しぶりだなァ。
A」

ニヒルな笑みを浮かべて、そいつは確かに私の名前を呼んだのだ。