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〇〇ホテルと聞いて、まさかと思ったけどそのまさかだった。
高すぎる天井、たくさんのホテルマンに案内され、スケルトンなエレベーターの1つに乗り込み、辿り着いたのは最上階…
もしかしてここは、その…あっち系の人が来るとこではないか?
ふ、服装、は大丈夫だろうか。
一応、今どきの子が好きそうなブランドのマネキンを1式買ったわけだけど、もはやどんな服着ても粗相なのでは!?と思う次第である。
おかしい、昔のこっちの私はこういう所は幼稚園から行ってたはずなのに今の私は初めて田舎から都会にやってきた高校生…
こんな、すごいとこでケーキとか頬ばれるわけが…!!
「おいしいです(小声)」
「よかったです」
「いやほんとおいしいです。定番のショート、チョコレート、チーズケーキは言わずもがな季節限定メニューまで細部にも拘って、しかも一口サイズというお得感の中、口いっぱいに広がる幸せはこれ如何程か。まるであまたの星が口の中に広がる…ああ口の中がスペースファンタジーやぁ(小声)」
「Aさんケーキ食べると饒舌になりますよね(笑)」
と困り顔させてしまった…
ああ、ダメだ。甘いものは入るとポンコツになってしまう。
「さっきも言ったんですけど、これ私が楽しいだけな気がします。」
「そんなことないですよ。僕も楽しいです」
「いえ私の方が楽しいです」
「そんなAさんが見れて僕はもっと楽しいです」
うぐっ…
多分これ恥ずかしくなったら負けなやつだ。でも安室さんの飄々っぷりは中々崩せない…
「と、ともかく。安室さんはなにかしたいことありませんか?」
「僕ですか…?うーん」
「休日は何を?」
「ここの所休日がなくて、何してたか忘れちゃったんですよね」
いやそれが普通ですみたいに言ってるけど結構ブラックじゃねーか!!!
「だからこうしてゆっくりコーヒー飲めるだけで僕は満足です」
「…」
その顔は少し疲れてて、でもホッとしてるような、見ていて苦しくなる顔だった。
…もしかして、あれかな
仕事が忙しすぎて遊び方を忘れてしまった、的なあれかな。
ぎゅっと、机の下で握りこぶしを作る。
今度は、私が安室さんになにかしてあげる番かもしれない。
「…私、いい場所知ってます」
「!」
席を立って、安室さんの横まで行く。
そして前の安室さんのように、片手を出して
「もしよろしければ、一緒に行きませんか?」
「…ふふ、ええ。勿論」
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理那(プロフ) - あぁ!そういうことでしたか!私よく絵を描くので知ってて!実際あんま覚えてなかったのでよかったです! (2020年5月22日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴみ(プロフ) - 理那さん» ご指摘ありがとうございます!!すみません、自分単行本派なので赤井さんの目の色すっかり勘違いしてました(号泣)訂正したのでまたよろしくお願いします! (2020年5月21日 23時) (レス) id: bf70a421f2 (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - 赤井さんって目は黒じゃなくて緑色、だった気がする?いやすみません間違ってたら!無理のない程度に頑張って下さい! (2020年5月21日 21時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ好きです!更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月6日 3時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
腐夢(プロフ) - 初めまして!番外編も本編もとても面白くてにやけながら読みました!読みやすいし感情移入しやすいのでとても読んでいて楽しかったです。素敵な作品をありがとうございます┏○))ペコリ (2020年4月29日 23時) (レス) id: 93d427ce7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年7月6日 14時