「もう他人じゃない」【降谷零】

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(いい？蘭、あくまで私達は安室さんの恋のアシスト係なんだから、でしゃばっちゃだめよ)

(そうだね。Aには自分で気持ちに気付いてほしいから言わないでおこっか)


「…おーい」

なんか…
二人で盛り上がっちゃってるんだけど…

おかしいなぁ、さっきまで私の占いをしてたはずなのに！！


と若干拗ねていたら、話し終わったのかやっとこっちを向いた二人

「どうしたの2人とも」


「別に！さぁ占いの続きするわよ！」

「好きな人がいないならさ、気になってる人は？」

「気になる…？」

「どうしても気になっちゃうの。今何してるのかな、とか。どこにいるのかな、とか。気づけばいつも頭の中で考えてるんだよ」

「蘭にとっての新一みたいにね」

「ち、違うわよ！もう、バカ！！」


か、可愛い…
そっか。蘭ちゃんは恋する乙女だもんね。


「それを言うなら園子だって…」

「わ、私はいいのよ！それに今はAの話でしょ！気になる人、いないの？？」




気になる人…






『大丈夫、大丈夫ですから…』



今、なんかソワッとした。


少し…いや、かなり、気になり…はするけど、

第一彼は私の恩人であり、なにかとお世話になってる人だ。


だから、安室さんは気になる人
ただ、気になるだけ。

そう、キニナルダケ…





クスクスと笑い声が聞こえて顔を上げると、やけにニヤニヤしてる二人。
絶対よからぬ事を考えてる…


「違うから」

「あら、別に園子はなにもいってないのに！何が違うの？」

うぐっ


「別にな、なんとなくだし！ほら、とにかく占いの結果教えてよ！最後はYESでいいからさ」

そうだよ元を正せばただの占いだったんだ。

というかそもそも、なんなんだこの占いは！！
質問系が全部恋愛系なのは確実にそういう層を狙ってる感がある。


「えっと、Ｄだから…『Ｄを選んだあなた、気づいないようで知らないところで運命の人に出会えてるのかも。奥手すぎなところがたまにキズ☆自分の気持ちに気づいたら躊躇わずに進んじゃえ！』」






「何様なんだ」

「「そこ！？」」

え、だって、いや、
たまにキズ☆って！！ことごとくイライラするポイントが散りばめられてる結果に、なんと言うか…


別に奥手なのは知ってるし。
前世の中学生最後の卒業式に、ずっと思ってた先輩に告白しようとしたら友達に先越された事がある。




いつも好きって感情に気づくのが遅いんだ。

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