「もう他人じゃない」【降谷零】

第4章 待ち人:思わぬ所から ページ15

･




「2人とも何見てんの？」

昼休み、最近よく来る中庭で何やら熱心に読んでる蘭ちゃんと園子ちゃんの手元をのぞきこんだ。


「ファッション誌！今占いやってるから、Aもやってみる？」

占い？？
ファッション誌なんて、散髪する時美容師さんから渡された時しか見なかった。

なるほど。選択肢にYESかNOで答えて、たどり着いた属性と診断結果を合わせるんだな。


「ちなみに私も蘭もBだったの！」

Bは…ほうほう。流行に敏感でどちらかと言うとアウトドアタイプ。自分から進んで恋を掴むべし、って…

当たってる！！

意外と楽しそうだ。

前世じゃお金が無くてこういうのとは無縁だったなぁ…


「私もやる！」

「じゃあ第1問！今まで恋した人が3人以上いる？」

「いいえ」

「恋のおまじないをしたことはある？」

「いいえ」

金運上昇のおまじないはした事ある。

「恋愛ドラマに感情移入しがち？」

「いいえ？」

え、マジでって顔された。
ちょっと傷つくんですが…


「じゃ、じゃあ！理想のデートプランがある？」

「いいえ」

「…A、本当に高校生？」


れっきとした高校生です。
そんな真顔で言わんでよ園子ちゃん。


「だって考えたことないよ」

「あんた普段何考えてんの！？」

「晩御飯とか、勉強とか…」

とうとう2人とも、信じられないって顔になってしまった。

そんなに私、ズレてる？

「少女漫画は！？読んだことあるでしょ！」

「うーん…」

お姉ちゃんがよく読んでたけど、興味なかったし…

「あ、でも漫画はあるよ！名探偵コ…」

「「コ…？」」

「こ、コートジボワール！！」

あっぶねぇえええ！！！うっかり言いそうになったよ！！！

「面白い名前だね」

「それ絶対少女漫画じゃないじゃん！」

でも恋愛あるよ！！！
蘭ちゃんと工藤新一のな！！！


「と、とにかく続きやろうよ！」

「えーっと、あ。次で最後だ。
“今、恋をしてますか？”だって！」






好きな…人…

いやいやいや、違う違う。






「いい…」
「「はいだね！！！」」

え！？

何故かすごい見幕で答えをねじ曲げられたんだけど！？


「いや、いいえって…」

「“はい”でしょ？もう“はい”にしちゃおうよ！ずっと“いいえ”だったし！！」

「いやどう理論なのそれ。それじゃあ占いにならないじゃん」

「大丈夫。私達はAのことをAより知ってるから」


どういうこと！？

2→←番外編2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す